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GSC10 スピード&ケイデンスセンサ

「GSC10 スピード&ケイデンスセンサ」はGARMIN社のForerunnerやEdgeなどのフィットネス系モデルに使用可能なオプション機器です。自転車に装着することにより、速度とケイデンスの検出が可能になります。

使用可能な本体機器は以下の通りです。
Forerunner305、ForeAthlete305、Forerunner50、Forerunner405、Edge305、Edge705、(Forerunner405とEdge405に関してはGARMINのアナウンスに依ります。私はまだ検証していません。)


簡単なスペックは以下の通りです。
自転車に装着して速度とケイデンスの検出が可能。
質量25g
使用する電池はCR2032を1個
電池寿命は1日に1時間の使用条件で1.4年
本体とはANT+Sportによる2.4GHz帯による無線通信
電波の到達距離3m

ほぼスペック通りですが、電池寿命だけは短めに感じます。心拍計などの他のオプション機器はスペックに近いと感じるのですが、GSC10に関しては1x365x1.4=511時間も持たない雰囲気です。

もしかしたら停車時のマグネットの位置関係と人が通る事などの振動が微妙に関係して、スリープ状態から簡単に抜け出してしまうのかもしれません。

安い電池なのでこまめに交換すれば良いのですが、電池の蓋に使われているOリングが大変細くて切れやすいために、細心の注意をはらって作業を行う必要が有ります。本体の樹脂を侵しにくい、シリコーンオイルやワセリンなどをOリングに薄く塗布して作業すると作業が楽です。


ここにはセンサを取り付けた画像があります。

取り付け

左側チェーンステーの上に本体を載せ、付属のケーブルタイを2本使って取り付けます。後で位置の微調整をしますから、最初は緩く固定しておきます。

マグネットは2種類付属しています。ホイール用のマグネットは丸いほうで、クランク用は両面テープが付いた楕円形のほうです。ホイール用はマグネット自体ががねじになっているので、マグネットを指で緩めてスポークを挟んで再度締め付けます。スポーク用の溝が2本有りますが、交差部に来ない場合は1本の溝で固定する事になり、少しグラグラしますが仕方有りません。

クランク用マグネットは両面テープの裏紙を剥いで左側クランク裏面に仮止めします。ケーブルタイ1本を緩く巻いておきます。マグネットの線とケイデンスセンサ本体の線が合うように、かつ両者の距離が5mm程度になるように位置を調整します。

次にホイール用マグネットの調整です。GSC10本体から後ろ向きに出ている細いアーム中心部の+ねじを緩め、ホイール用マグネットと細いアームの線を合わせ、両者の距離を5mmくらいになるようにします。調整にはNo.2の+ドライバが必要です。相手がプラスチックなので、バカみたいに締めすぎるとねじ山が壊れてしまいます。

検出部とマグネットの距離は近い方が動作が確実に成りますが、あまりに近いと少しのずれや変位でも両者が接触する可能性が出てきます。走行中に「カツカツ」音がすると走りに集中できませんし、最悪の場合は部品を巻き込んでしまうかもしれません。4-5mmのほどほどの距離が良いかと思います。

最後に3本のケーブルタイを程々に締めて次の試験工程に移ります。


ここには各機能の説明画像があります。

取り付け後の試験

半透明のリセットボタンを押すとリセットされます。リセットボタンに内蔵されたLEDがと順に点灯してから消灯します。これで基本部分が正常である事が確認できます。

ホイールを前進方向に回転させます。ホイールのマグネットと検出部分が正しくセットされていれば、リセットボタンに内蔵されたLEDがマグネットが通過する毎にに点灯します。

クランクアームを逆回転させます(ホイールを回さないため)。クランクのマグネットと検出部分が正しくセットされていれば、リセットボタンに内蔵されたLEDがマグネットが通過する毎にに点灯します。

この試験用の点灯は、リセットから60秒の間だけ有効です。更なる試験の必要があれば、再度リセットしてから試験する必要があります。

全てがOKであれば3本のケーブルタイをしっかりと締め付け、余分のケーブルタイをニッパーなどで短く切断しておきます。

LEDの点灯は相当暗いので、暗い場所で行ったほうが解りやすいです。明るい場所では正常であっても点灯が解らない場合があります。


GPSとの接続・ペアリング

GPSの種類やファームウエアのバージョンによっても多少は違いますが、大まかには以下の設定が必要となります。

GPS側でGSC10センサを使う設定にする。
GPSとGSC10センサをペアリングする。

GPS側の詳細設定に関しては、機種やファームウエアのバージョンによっても変わってきますので、それぞれの機種の状況に応じて「GSC10を使用する」設定にします。機種によっては次のペアリングと操作が一緒になっている物もあります。

ペアリングの意味は以下の通りです。
自分の電波にプラスして他人のセンサの電波を受信してしまったときや、自分の電波が受信できないときに他人の電波を受信してしまったときなど、間違って他人のセンサの信号を処理してしまわないように、あらかじめGPSがセンサの固有IDを認識し、一旦決めた相手以外の信号は処理しない方法がとられています。これがペアリングと呼ばれる方法です。

ペアリングしたいGPSとセンサをお互いに3m以内の距離におきます。他のセンサは10m以上はなれた位置に遠ざけておきます、他の電子機器や大電流を流す機器など、ノイズを出している機器も離しておきます。GPSのメニューからペアリングとか、スキャン、などの命令を実行します。GSC10が認識されればペアリングは成功です。今後は新たに別のセンサとペアリングを行わない限り、先ほどペアリングされたセンサの信号のみを処理するようになります。


ここにはケーブルタイの画像があります。

最初に取り付ける為のケーブルタイは付属していますが、ケーブルタイは再利用が出来ないため、失敗したときや付け直す時には新たなケーブルタイが必要に成ってきます。

GARMINの純正部品としても設定がありますがかなり割高です。ホームセンターなどでも同等品が購入が出来るのでそっちを活用した方が良いと思います。

この画像はホームセンターなどで購入できる150mmのケーブルタイです。100mmの物はもう少し細すぎるので心配になりますが、この位の太さに成れば十分に取付に使用できます。ちなみにこの商品の幅は3.6mmでした。GARMINの純正部品はもう少し幅が有ります。

ケーブルタイを選ぶときに注意しないといけないのは耐候性です。一般に半透明のケーブルタイよりも黒のケーブルタイのほうが耐候性のあるモデルに成っているようです。購入の祭は「黒色」又は「耐候性」をうたった製品が適当です。


複数の自転車を持っている人で、それぞれでスピードやケイデンスを管理したい場合、GSC10をそれぞれの自転車に装着しておくことになります。

GPS本体は1台でOKですが、「新しいセンサが見つかったので使うのか?」と言うメッセージに「YES」と答えたり、新たにペアリングが必要であったり、走り出す前の小さな儀式が増えてしまいます。

複数の自転車は持っているけど(持っているから?)GSC10を買い足すお金は無い。でもそれぞれの自転車でケイデンスが知りたい・・・。こんな場合は毎回GSC10を付け直す事になります。

保証外には成りますがマグネットは他社のマグネットでも反応しますので、マグネットだけキャットアイでセンサは毎回付け直しという方法も有りかもしれません。かなり面倒なので私なら無しで走り出してしまいますけど(笑)。


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