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ハブダイナモの特性を測定する(その2)

先日のデータをもう少し整理して見ることにしました。先日は速度をパラメータにして見てみましたが、同じデータを負荷をパラメータにして見てみます。

速度(km/h)負荷抵抗(Ω)電圧(V)電流(A)出力(W)
10開放7.000
10476.80.1450.98
10205.50.2751.51
10104.10.4101.68

速度(km/h)負荷抵抗(Ω)電圧(V)電流(A)出力(W)
20開放13.500
204711.00.2342.57
20208.10.4053.28
20104.80.4802.30

速度(km/h)負荷抵抗(Ω)電圧(V)電流(A)出力(W)
30開放19.000
304714.50.3094.47
30209.10.4554.14
30105.10.5102.60


同じデータですがこうやってみると少し違ったことが見えてみます。綺麗にデータが取れている20km/hを見てみると、負荷が20Ωの時に最大出力3.28Wが得られています。その前後はよく似た値で10Ωの時に2.30W、47Ωの時に2.57Wです。20Ω付近に最大値が有ることが解ります。それ以外の10km/hと30km/hでは最大値が両側に切れており、抵抗の種類を増やして再度測定を繰り返した方が良いことが解ります。

また、高速域になればなるほど最大出力を得るための負荷は軽くないといけないことも解ります。20km/hの時の最大出力を得る負荷は20Ωでしたが、30km/hでは少なくとも20Ωよりも47Ωの方が多くの出力を得られています。30km/hで巡航する人は20km/hで巡航する人よりも軽い負荷を用意しないと、せっかくの高回転の恩恵にあずかれないわけです。

もう一つの問題がありそうです。勉強不足で発電機の効率が解らないのですが、モータと同様と考えると最大出力点よりも高速寄りの軽く回っている所に最高効率点が有るのではないでしょうか?たとえば時速20km/hの例では10Ωと47Ωの出力はほぼ同じですが、負荷が軽くて電圧が高く電流が低い47Ωの方が効率は良いのでは無いかと想像しているわけです。

素人考えでも、無負荷電圧13.5Vを4.8Vまで落として2.30Wを得るよりも、11.0Vまでしか落とさないで2.57Wを得る方が発電機のコイルにも無理は無いような気がします。そう言った意味でも低速用の負荷のままで高速巡航を続けることは良いことなのか少し疑問が出てきました。


2007年06月13日追記

ここにはハブダイナモの特性図があります。

ブルベ用のヘッドライトシステムを検討する際、上記のデータでは使いにくいのでまとめ直したグラフです。上記のデータ以外にも、その後にスポットで採取したデータを考慮に入れて想像で作成したグラフです。

理系的な纏め方をするなら、ハブダイナモの軸回転数とか角速度で表すべきなんだろうとは思いますが、普段の利用時に面倒なので700Cのロード用ホイール基準の時速で表しています。MTBや小径車の方は適当に変換してください。

これを信用してえらい目に遭っても私は責任を取れません(笑)。

このグラフの利用法ですが、原点を通って20Vと500mAを通る直線を引けばそれは40Ωの負荷を表します。各速度の曲線との交点が動作点になるわけです。

同様に、LEDなどのVf-Ifカーブを重ねれば、LEDをハブダイナモに直結した場合の動作点が簡単に求まります。7.2Vや12V付近に縦線を引けば、ラジコンバッテリーや12Vバッテリーを繋いだときの充電電流の想像が出来ます。


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