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3V出力のレギュレータ回路を試験する(その2)

実機実験に向けて前回の回路をまじめに見直してみました。一番の問題はレギュレータ2903の最大入力電圧が20Vしかないことです。ハブダイナモの測定値によると、時速30km/hでの無負荷交流出力電圧は19V出ています。この時点でピーク電圧は20Vを超えていますし、もう少し速度を増やせば、実効値でも20Vを越えます。

とりあえず一番安直な対策として、レギュレータの入力側にツェナーダイオードでも付けてみることにします。部品箱を探すと小型でしたが9Vのダイオードが数個出てきたので、これを2個直列に接続して使う事にしました。ダイナモの内部抵抗に期待して、ダイオードブリッジの出側に直接接続しています。

また、前回は出力端子に試験用負荷抵抗を繋いでいましたが、今回はeTrex用のプラグを接続し、実際にeTrexを駆動してみる事にします。回路図は以下の通りです。実機検証が目的なので、整流ダイオードのショットキー化は行っていません。

ここには3Vレギュレータの試験用回路図が有ります


使用するGPSはLegendにしました。この機種は外部電源が落ちるとポップアップメニューが出てきてカウントダウンが始まり、30秒以内に外部電圧が規定まで上昇しない場合は自動的に電源が切れてしまいます。

前記のオートシャットダウン機能は、実際に路上では面倒かもしれませんが、今回の実験では測定器無しでも電圧の低下を知らせてくれる有効なメッセージになります。

準備段階として入力に電源装置を付けたまま出力にLegendを接続し、入力電圧を上下させてみました。出力電圧が低下するたびにLegendからメッセージが出ますが、再度上昇するとメッセージは自動的に消えます。これを繰り返しましたが、すぐに悪影響は出ないようです。

GARMINの純正シガレットケーブル使用時でも、シガレットプラグの抜き差しやエンジンの始動、坂道でのエンストしかかり・・・など、電圧の昇降は有ります。頻度の問題とは思いますがすぐに壊れる様な設計はしてないと期待して、実機での検証に入りました。


実際の測定は自転車に上記のユニットを取付け、三本ローラ上で行いました。道路を走っても良いのですが、器具が仮固定なので落下が心配です。

実際に漕いでみると時速8km/hくらいで外部電源に切り替わります。バックライトを付けているともう少し高速側に移行しているようで8.5km/hくらいの感じです。いずれにしても速度計の反応が鈍いので速度は概略値ではあります。(キャットアイに比べてシマノは反応が鈍いなあ・・・)

時速8.5km/hと言えば通常の走行では十分すぎるくらいの速度です。特に夜間の走行で、バックライトを付けたGPSを電池の心配をせずに使い続ける事ができるのは大きなメリットだと感じました。私の使っている速度計にはバックライトがありません。速度計にライトを追加する改造をするよりも前向きで簡単な気がします。

次はもう少し小綺麗にまとめて、実走行試験です。


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