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Panasonicのセットを検証する

シマノのハブダイナモ HB-NX-20-QR とキャットアイのライト HL-500II を組み合わせたPanasonicの製品を検証してみます。興味の中心は開放電圧が20V以上にもなる発電機に定格4.8Vの電球をそのまま組み合わせて大丈夫なのか?そしてGPSとの組み合わせの可能性は?です。

測定結果を下表に示します。速度と電圧は実測値です。電流は前回測定した電球単体のデータから読みとった想像値です。電力は電圧と電流による計算値です。

なんでこんな面倒な事をするかというと、真の実効値表示でハンディータイプの測定器が1台しか無いからなんです。電圧と電流が一回で測定できればもっと簡単に正確な結果が出るでしょう。

速度(km/h) 0510152025303540
電圧(V) 02.23.54.14.54.85.05.15.15
電流(A) 00.370.450.470.500.520.520.530.53
電力(W) 00.811.581.932.252.502.602.702.73


まず速度と電圧の関係をグラフにします。

低速域では速度が上昇するとそれに応じて電圧も上昇していますが、定格電圧である4.8V近辺から上昇が鈍ってきて、時速30km/hを越えるくらいから電圧の上昇は止っています。

ここには速度と電圧のグラフが有ります


次に速度と電流の関係をグラフにします。

こちらは電圧以上に頭打ち傾向が顕著で、時速10km/h程度から上はほとんど一定の電流値です。グラフが汚いのは電流が実測値では無いためです。

ここには速度と電流のグラフがあります


最後に速度と電力の関係をグラフにします。

電圧のカーブによく似た傾向を示しています。時速20km/hで定格電力に達し、それ以降は速度が上昇してもそんなに電力は上昇していません。

ここには速度と電力のグラフがあります


実測してみるとなかなか興味深い結果が出ました。まず解ることは時速20km/h程度が定格速度で、それ以上速度を上げても電力は大きく向上しないと言うこと。シャカリキに40km/hを維持してもせいぜい2.7Wの出力しか取り出して居ないわけです。

逆に考えると全く制御機構を持たない割には、高速域でも過電圧が加わらない上手い組みあわせになっています。しかしこの状態は過電流とハブダイナモの内部抵抗などによる垂下特性的に感じられて、効率面やダイナモの負荷的にすこし気になります。

実際に抵抗による測定では時速30km/hで4.5Wを取り出せて居るわけで、何らかの工夫をすれば高速域で今よりも明るいライトを作ることができそうです。ただしこの場合は低速域で今よりも確実に暗くなるでしょうから両刃の剣ではあります。

GPSとの組み合わせに於いては、このままレギュレータユニットを並列接続するのは消費電流的に難しい感じです。電球を6V-2.4Wや12V-5Wなどのタイプに変更することを視野に入れて選定していく事が必要かもしれません。またはLEDと組み合わせても面白いでしょう。

ライトの明るさを求める場合は、フローティング充電の蓄電池を間に用意するのが一番確実かもしれません。これだとHIDランプへの発展も期待できます。


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