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心拍計

心拍計を買ってしまいました。オムロンのハートレートモニター HBE-110 と言うタイプ。

先日ヒルクライムの練習に行ったら、途中で気分が悪くなるわ下痢するわで、息子にまで負けてショックを受けてしまいました。よく考えると4月の終わりには米軍基地のマラソン大会も有ります。こうなったら計測器で冷静なデータを示し、冬の間の怠惰な生活を反省して前向きな似非アスリートの生活を取り戻す必要が有ります。

調べてみるとポラールとキャットアイあたりがよく見かけるブランドのようでした。しかし近所に売っている店が無かったので、もう一個検索に引っかかったオムロンに電話すると、家電店Dの本店なら展示してある事が判明。

早速ママチャリを飛ばして買いに行きました。二種類有ってどちらにするか悩ましく、店員に聞いたけどその場で説明書読み始めるような状態だったので、それ以上聞くのはやめて自分で決めました(しっかりしてねD)。心拍計とストップウォッチがセットになったタイプにしたけれど、使ってみると単機能の心拍計のみでも良かったかな?とも思います。

このまま鞄に入れて帰るのも能なしなので、すぐに近くの公園で装着(近くで裸になって申し訳ない、中学生のカップルよ)。心拍数を管理しながらママチャリを飛ばして帰ってきました。これってすごく面白い!


説明書を読むと目標心拍数の設定という項目があります。次の式で計算するそうです。
目標心拍数=安静時心拍数+((220−年齢)−安静時心拍数)×運動強度
私の安静時心拍数は55拍で年齢は45歳ですから、運動強度0%なら55拍、100%なら175拍と言うことになりました。脂肪を燃焼させるには40-50%、体力増強なら60-75%の強度が適しているそうです。

ここまで読んで早速走ってみました。新しい機械で励みがあるのでハーフのコースにしました。いつものペースにすると150拍くらい行きます。ちょっとがんばってみると165拍くらいです。登りでは170拍を越してしまいます。75%なんて悠長なことを言っていると、若いモンに勝てません。説明書は無視することにしました。

その後毎日装着して走っていますが、キロ5分のペースなら140-150拍くらい。キロ4分30秒なら160-165拍くらいは行くようです。165拍を維持するとハーフで1時間30分に相当しそうな感じです。このまま走るとサブスリーですが、これは現状では足が持ちそうに有りません。

面白いことに気が付きました。GPSで速度を一定に維持すると登りが死にそうになります。反対に心拍計で心拍数を一定にすると登りが楽ですが、下りでは膝が壊れるくらい飛ばさないと心拍数が一定になりません。

機械で考えてみると、心拍数一定とはモータ駆動回路の電流を管理しているような物で、GPS速度一定とは、負荷は無視して回転数だけを管理しているような物でしょう。どちらもシステムの一面しか見ていませんので無理があります。足に感じるキツサで軸トルクを感じ、汗の量で巻線の温度上昇を感じて補正してやる事が、理系似非アスリートの正しい姿なのでしょう。


心拍計を使い始めて気が付いた衝撃の事実があります。それは若さの残酷さです。上記の式に20歳を入れてみると、100%負荷の心拍数はなんと200拍です!私が175拍で苦しんでいるときに20歳の若造は200拍のペースでスイスイ進んでいるのです。新しいモータに200A流した機械と、古いモータに175A流した機械では勝負は明らかです。

これはいくら何でもフェアではありません。自動車レースでも吸入空気量を制限したり回転数の上限を設けたりいろいろと工夫しています。若者には猿ぐつわをさせるとか、一定の心拍数を越えると心臓に痛みが走る機械の装着を義務づけるとか、何らかの対策が必要だと痛感しました。

とりあえず次回の大会では気持ちの持ち方で対応することにします。若い選手に抜かれそうになったときは「F3のレースにF1を持ち込んで楽しいかい」と微笑む事にします。年上の選手に抜かれそうになった時は「俺の方が10拍は低いな。あいつは後半潰れる」と信じることにします。

もう私は200拍で走り続ける事はできないでしょう。なぜ20歳の時に走らなかったのか後悔しています。年を取っても何でもできると信じていました。でも、200拍で走ることだけは・・・たぶん無理です。さあ、若者たちよ。今のうちに走り始めなさい。仕事も勉強も恋愛も年を取ってからでも十分できます。でも、200拍で走り続ける事は、残念ながら年を取ってからでは遅すぎます。


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