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VR-500(その1)

手元にスタンダードのVR-500が有ります。中波ビーコンを使ったDGPSシステムで、電源やGPSが出すノイズが意外と手強いために対策用に購入したものです。バンドスコープも有るので簡易スペアナ的に大変役に立ちます。

たまに滑空場に行ったときも、航空管制とグライダー専用波をモニターしたりして役に立ちます。ただメモリーがたくさんあるので使い切れていないのも事実でした。先日航空大学に行ったときも、上をボナンザと定期便が飛び回るなかで「メモリーを整理して荷物の中に放り込んでおけば・・・」と悔やんだものす。

そこで、時々ヘビーユーザー?の話に聞くメモリー編集ソフトとやらを探してみました。
http://www.rtsars.com/yaesu_template.cfmここではケーブルとソフトを売っています。でも取り寄せると5,000円を超えてしまいそうです。
http://parnass.org/index.htmlここにはフリーのソフトが有ります。しかしケーブルは前記の所から買えとなっています。

国内ではケーブルとソフトに関して、誰も情報を提供して居ないようです。海外でも上記だけのようです。そこで素直に買うと面白くないので、調べて見ることにしました。


まず取り説にクローンケーブルとやらの自作説明が有ります。これによるとSP端子を使って2台のVR-500間で通信するようです。SPはモノラルなのですが、ジャックがステレオになっており、ステレオプラグを差し込むと3芯が使えるようになるみたいです。

しかしよく見ると変な結線です。2芯しか使っていません。もしかして片一方からの垂れ流し通信で、クロス結線の誤植?かと思いましたが、どちらの機械を送信側にしても良いように書いてあります。と言うことは双方向にやりとりできる・・・・・どんな理屈でしょう。

思いついたのはSCSIの1つのデータ線と同様に考えたら良いのでは?と言う事です。自分自身の送信と受信をパラに繋いで、送信はオープンコレクタでパカパカやる。受信はインピーダンスが高いので送信に影響は与えない。自機が送信中は自分の受信データは無視する。送信は交互にやる・・これで行けそうです。

そこでVR-500にステレオプラグを繋いで調べてみました。電源を入れなくても3.0Vが出ています。通信モードにしても3.0Vで変化は有りません。抵抗を付けてインピーダンス(たぶんプルアップ抵抗?)を測定してみました。通信モードで電圧を1.5VにするにはR=10.1kが必要でした。3V系の回路でプルアップ抵抗が10kだと想像できます。

送信モードにしてみました。一瞬0.5Vから3.0Vくらいの信号が出てお終いです。外付けの抵抗値を変えても変化は有りません。次に受信モードを試して見ました。端子が解放では何も起こりませんが、外付け抵抗をいじると動作に変化があります。抵抗を低くしていって端子電圧を1.5V以下にすると、延々とピロピロと信号を出し続けます。どうも1.5Vが閾値で相手の応答と誤解して反応し始めているようです。


ここまで解れば(想像すれば?)後は何とかなるでしょう。PCのRS232Cを0〜3Vに変換して、SCSIみたいな感じで送受信を一緒くたにした端子を作れば良いわけです。論理が解りませんが、一応TTLと一緒と考えて回路を考えてみます。

PCのTXからVR-500への信号は、PCのTXにベース抵抗を入れて2SC1815を駆動し、コレクタをVR-500に繋いでみます。オープンコレクタの電源と抵抗はVR-500内部に期待して実験段階では無しで行ってみましょう。反対のVR-500からPCへの信号は、VR-500の端子にベース抵抗を入れて2SC1815を駆動し、コレクタをDsubの2番Pinに接続します。2番Pinには電圧が出ていないので、comポートオープン時に10Vくらい出ている7番あたりから適当な抵抗を付けて給電してみましょう。マイナスに振れませんがGPSの実績から大体はこれで認識するはずです。よし!出来たかも?

と言うことで、今日はここまで考えてお終いにします。次回、回路図書いたら変なところが出るかも知れませんし、回路は動いても通信までにはまだまだ難関が待っているかも知れませんね。


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