RIGHT STUFF, Inc.Right Stuff Wrong Stuff基地局用?のGPSアンテナ 良く行くジャンク屋さんで変なアンテナを見つけて来ました。銘板によると古野電気製で型番がGPA-014となっています。形は棒状で山の中の携帯電話基地局の鉄塔に取り付けて有るものに似ています。1,000円との事なので迷わず買ってきました。
全長は約300mmで下にはマリンスレッドらしきネジがあります。下から3D-XVの同軸が150mmほど出ており、その先にはNJ-3のコネクタが付いていました。 下の基台部分と上のカバーは、ネジで分離できる構造になっていましたが外れません。仕方なく鋸で切りました。案の定ネジ山にもOリングにもシリコーン系のシーラントが塗って有りました。これでは外れません。。。 内部にはお化けみたいなヘリカル系のアンテナが入っているかと思っていたら、アンテナは上半分だけで意外と小さく下半分はシールドされたアンプの様です。 アンテナ部分の全長は105mmで直径は22mm有ります。GARMINのGPS2+系のように両面にパターンが有るフレキシブル基板ではなくて、片面に4本のエレメントをエッチングしたフレキシブル基板をパイプに巻き付けてあるだけのようです。 とりあえずN型コネクタは普段使っていないのとケーブルが短すぎるので、3Dの同軸1000mmくらいとBNCコネクタに交換しておきます。 気になる下のシールドを開けてみると、想像通りアンプ基板が有りました。4本のエレメントはナスカの地上絵のようなパターンで一カ所にまとめられ、51Ωの抵抗で終端されています。この部分に1個コネクタが有るので、ここまででとりあえず50Ωのパッシブアンテナとしてまとまっているのでしょう。 まとまったアンテナ出力は1575の記号が有る箱に入ります。これは間違いなく1575MHzのバンドパスフィルタです。その後FET(Tr?)で増幅されて再度フィルターを通り、最後にFET(Tr?)を通過して同軸へ出ていきます。流石に業務用?らしくフィルターが2個も有るまじめな回路です。 アンテナと反対側の同軸の心線を半田付けする部分から追っていくと、コイル的なパターンを経由して数個の部品群に入っていきます。これは前記のFETに繋がって居ますから、心線に重複された電源を分離してFETへ供給する回路でしょう。抵抗やコンデンサじゃ無い素子が2個ほど有りますので、安定化回路が有るのかもしれません。 ここまで追っかけて後は電源を繋いでみます。徐々に電圧を上げていくと3.3Vくらいから15mAほど急に流れ初めて動作を始めたようです。その後5.0Vで17mAに落ち着いた後は8Vくらいまで上げても17mAで一定です。定格は5.0Vで内部に定電圧回路が有るのだと思います。 これならGARMINにも丁度使えます。GPS2+に付けて外で試してみました。 感想としてはゲインは普通のイメージです。特に高くは有りません。3D-2Vの1000mmを経由した状態で、45度以上の衛星はバーグラフが振り切れます。それ以下の衛星はグラフが1段低い感じです。 低い高度の衛星は半分ほどの感度になっています。試しにアンテナを寝かせてみると、アンテナの先端方向にある衛星の感度が上がりました。アンテナ自体のパターンが真上に尖った感じになっているようです。GPS2+の純正アンテナではここまでの傾向は有りません。ちょっと違った感じです。 このアンテナは特別に高ゲインでも有りませんし低い高度の感度が高い訳でも有りません。しかしアンプ内部には2段のバンドパスフィルターを設けて、他の電波からの影響を排除しています。機械的な作りはしっかりしていますが、移動時の振動に強そうな構造では有りません。ここまで見てくると、見晴らしの良い鉄塔の上に設置される、携帯電話の基地局で時刻管理用に使われていたGPS用では無いかと言う想像が当たっているような気がしてきました。 切ってしまったカバーは塩ビの水道管で代用品を製作し、常設のアンテナにでもしてやりましょう。
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