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サイクルコンピュータ(その2)

サイクルコンピュータのハード的なI/F部分を探ってみます。

手元にキャットアイの古いサイクルコンピュータが有ります。正確にはBSブランドでレイダックと書いてあり、BSのレイダックが出た頃の製品です。有線のタイプは今でもあまり変化は無いみたいなので、とりあえずこれを対象に調べて見ることにします。

本体の下には2個の電極があり、ブラケット経由で下のセンサーに繋がっています。この部分の無負荷電圧は2.88Vでした。使用する電池が3VリチウムのCR-2032なので、ほぼ電池電圧がそのまま出ているようです。

次にこの部分に繋がるセンサー部を見てみます。スポークに付けるストライカが磁石で有ることと、動作時の音を考慮するとほぼ確実にリードスイッチが内蔵されて居ると思われます。磁石を近づけるとスイッチが動作して解放だった抵抗値が12Ωになりました。

結局センサー部は車輪が1周ごとにカチカチとON/OFFを繰り返して居るだけのようです。ついでにON(ショート)状態の電流を測定して見ました。6μAです。計算上の出力抵抗値は480kΩとなります。


次に周期の測定タイミングやパルス幅の影響を調べてみます。

実際の使用時を考えると、センサー取付部の仮想周長が2000mm程度に対してセンサー通過時のON領域は20mm程度と思われます。これより実際の装着時はONの比率が1/100程度のパルスが出ていることになります。700Cタイヤで時速100km/hの時の周期は前回の計算式から0.0756sです。これの1/100と言えば756μsのパルスです。短い方はこの程度のパルスでもOKと言うことでしょう。

では、長いパルスやパルスの幅の影響はどうでしょうか?センサーに手で磁石を近づけて試してみます。二つのパターンを試してみました。一つは長い間磁石を接触させておき一瞬だけ離すパターン(パルス幅90%?)。もう一つは長い間磁石を遠ざけておき一瞬だけ接触させるパターン(パルス幅10%?)。どちらも周期は同じ1秒くらいで腕を動かします。

結果としてパルスの幅が90%でも10%でも、周期が同じなら速度に差は有りませんでした。たぶんパルスの立ち上がりか立ち下がりのエッジだけを見ているのでしょう。これは入力パルスを作るときに、幅を成形しなくて良いので回路が簡単になるメリットが有ります。しかし消費電流は増えそうです。。。

上の消費電流がどのくらい増えるか検討してみます。ONの間の消費電力は2.88Vで6μAですからP=17.28μWとなります。これに対して本体の諸費電力は0.000015W=15μWと表記が有ります。いくら微少とは言え定量的に確認するとセンサー部だけで本体消費電流の115%も消費しています。実験的に幅の広いパルスを入力するのは良いでしょうが、実用回路ではパルス幅を最小まで縮めることが重要そうです。

・・・と言うことは、微妙な話だけどセンサーは外周部に近い位置に付けた方が、電池の消耗が少ないと言えます(感じることは出来ないとは思いますが)。もう一つは、スリープモードを持たない機種では、センサーがONの位置で駐車しておくと消費が極端に増える事は有りそうです。


最後は、センサー部のON/OFFが機械的なリレー接点では無くて、トランジスタのオープンコレクタによるコントロールが可能か試してみます。要はVce相当の0.6Vが残ったままでもONと判断してくれるかどうかの問題です。

検証方法として、ダイオードの1588で短絡してみる方法と、0.6V出力に調整した電源装置を接触させてみる方法を試してみました。結果として1588による短絡ではOK。電源装置電圧を調節してみると1.25VくらいまではONと認識するようです。2SC1815あたりのオープンコレクタで十分駆動できます。

機種によって多少の違いは有るかと思いますが、基本的な構成は解ってきました。後は手前に変な物を作って繋いで遊ぶだけです。


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