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eTrexを体に装着して走る

ここにはeTrex付きウエストバッグの写真が有ります

これは私が普段使っているGPS付きのウエストバッグです。当然市販品は有りませんから自作品になります。何故こんな物が必要なのか?欲しい人には説明の必要は無いのですが、一応説明しておきます。

長距離の大会に出たり練習で長距離を走ったりするときに、トラックであればスポーツ用の時計さえしていれば1周何秒なのか、キロ何分のペースなのか何時も把握できます。距離表示のあるコースやレースの場合も、1キロや5キロおきにタイムを測定して、キロ何分のペースなのか把握することが出来ます。

しかし距離表示のない公道や山道を走る場合は何の目安も有りません。そんなときにGPSを持って走ればリアルタイムの速度変化を知る事が出来ます。さらにGPSに記録されたデータをPCに転送すれば、データを後で詳細に検討することがする事が出来るわけです。

その場合問題になるのはGPSの保持方法です。ザックを背負う登山や、デイパックを背負うウルトラマラソンなどの場合は大きな問題はありません。ザックの頂上部分か肩ベルトの部分にモンベルなどのケースを使ってGPSを固定してやればOKです。実績も多く受信感度も良好な方法です。

しかし軽装のランニングではそうはいきません。身につける物が無いためにGPSを固定するすべが無いのです。仕方なしに私は大会でもウエストバッグを使うことにして、それにGPSを装着することにしました。

ウエストバッグは背中側(お尻の上)に装着しています。GPSは体の右後ろ、丁度右肘の内側あたりに水平に張り出しています。受信に対する体の陰を極力減らすと同時に、ランニングへの負担を減らすために試行錯誤した結果です。


ここにはeTrex付きウエストバッグの裏面写真が有ります

この写真では構造が良くわかります。ウエストバッグの袋とひもの境目くらいの場所に、0.5tのアルミ板をつかったブラケットをリベット止めしています。アルミ板と布地の間には少し大きめに切った5tのスポンジラバーを挟みました。

袋が終わってひもが始まる部分は、体のカーブに合わせるとどうしてもアルミ板が曲がってしまいます。この部分は張り出し部のモーメント軽減と剛性向上を兼ねて、一部を切断して立体的な造形にしました。切り欠き部分の接合はエポキシ接着材です。張り出した平面部分の上には、汎用性を考慮してRAMのeTrexホルダをビスで取り付けました。

袋の部分に重い物を取り付けると、走ったときにぶらぶらして具合が悪いですが、この部分はひもの張力が適当に加わっているために、ほとんどぶらぶらしません。見た目ほど気にならないのは意外です。

普通はLSDや山を走る時に使っていますが、フルマラソンとハーフマラソンの大会にも6回使用しました。厳密に言うとタイムをロスしていると思いますが、帰宅後にPCで速度カーブを眺めているとラップでは解らない色々な反省点が見えてきて、微妙なタイムロス以上のメリットを毎回感じています。

唯一の欠点は、おなかの側に装着するとひどく揺れてしまい、画面を見ながら走ることが出来ない事です。現在速度を知るにはバッグをおなかの側に回して、GPSを手で押さえてやる必要が有ります。


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