RIGHT STUFF, Inc.Right Stuff Wrong Stuff似非アスリートの阿蘇望(屁理屈編その2) ギヤ比が見えてきたところで、出力と速度の関係を考えてみます。
地蔵峠の比較的勾配一定の登り区間をカシミールデータで見てみると、水平距離15308mで標高差874mを登ることになります。平均勾配は5.7%です。また、阿蘇登山道部分は同様に水平距離17484mで標高差が752mです。こちらの平均勾配は4.3%となります。数キロ単位の平均勾配が厳しいのは帰りの地蔵峠の最終部分で、約5km区間の平均勾配が7.8%もあります。 これらの坂を自分はどの程度の速度で登坂可能なのか、(練習はしないのに)あれこれ屁理屈を付けて検討し、最適な機材を準備しておくのが理系の似非アスリートと言うものです(笑)。
まず、6-7時間程度のツーリング途中で、数キロの区間を連続登坂しているデータを拾い出してみました。そしてその時の登坂中の平均出力をそれぞれ計算します。 出力計算の基礎データには、以前マイレッジマラソンの時に集めた転がり抵抗データや、WEB上に公開されているそれらしいデータを寄せ集めてみました。
これから解ることは、途中で休憩を入れた6-7時間程度の山岳ツーリングにおいて、登り区間中の平均出力は120Wから160W程度が得られると言うことになります。 これらの例はレースやイベントではなくて単独の走行です。阿蘇望の基礎データとして中間値の140W程度を採用するのが妥当と思われますが、阿蘇望ではそれなりのアドレナリンが分泌されると期待して(笑)、平均出力を150Wとして登坂速度を計算してみました。
行きの地蔵峠の登りでは12.5km/hが出ます。ケイデンス90rpmを維持するには(その1)の結果から35Tのスプロケットが必要です。阿蘇山の登りでは15.4km/hです。90rpmを維持するために必要なギヤ数は28.5です。最後の登りでは9.8km/hまで落ちてしまいます。34Tのスプロケットを用意しても、ケイデンスは67rpmくらいしか回りません。
結論です。 長時間ツーリング時の登坂時出力が150W程度の私は、阿蘇望用に最低でも後輪に34TのMTB用スプロケットを用意する事が必要ということになりました。 しかも全ての峠で28-34Tに入りっぱなしで、最後の地蔵峠では67rpmでギッコンバッタン苦しむことになるわけです。ハハハ情け無い。 さて、妻のロードから12-34のギヤセットとディレーラーを盗んでくる算段でも始めますか。
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