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オシロ用プローブを作る (自作抵抗線同軸ケーブルの製作)

普通の同軸ケーブルを使っていては限界があることが解ってきました。同軸内で上手に不要な振動を減衰させるために、抵抗のあるQの低い同軸で実験をしてみたくてたまりません。でもこんな物売ってません。秋葉原なら有るのかもしれませんが少なくとも地方にはありません。

そこで意を決して自作することにしました。大昔のSONYでもテープレコーダーに使うテープが入手できなかったので、磁性粉を刷毛で紙テープに塗った話を読んだことがあります。同じです。問題有りません(笑)。


ここにはニクロム線の画像があります。 そこでニクロム線を探し始めたのですがこれが意外と難しい。文房具屋かホームセンターに売っているとふんで探してみましたがどこも置いていません。インターネットで通販を検索してもなかなか出てきません。ハンズに行けば有るかな・・・と思いながら、ふらっと入った近所の建材屋で発見できました。10m巻きで263円。

線径が0.35mmと少し太いのですがこの際文句は言えません。これで行くことにしました。念のために抵抗を計ってみると1000mmで11.6Ωでした。オシロの心線は髪の毛くらい細いらしいので、比率で予想すると100-300Ωくらいはありそうです。


改造元のケーブルとしては、低容量を実現するために75Ω品をベースにする方が良いとは思いましたが、3D-2Vとの比較の意味で今回は50Ω品を使うことにしました。そこで手元にあるRG-174を分解します。
ここには分解された同軸ケーブルの画像が有ります。
次にニクロム線をポリエチレン?絶縁体の中に押し込んでいき、外側に編組をかぶせ、その上にオリジナルの外皮をかぶせ、その上に熱収縮チューブでカバーしました。
ここには完成した抵抗線同軸ケーブルの画像があります。
左の画像が完成品です。硬くなるかと思っていましたが、丁度良いくらいのしなやかさでした。作業上もなにも面倒なところはなく、1時間もかからずに完成です。

このままでは心線の半田付けが困難なので、いったんBNCコネクタの中心電極をかしめて、その先に抵抗などを半田付けすることにしました。


完成品の電気的特性は、抵抗値が1000mmあたり11.6Ω。容量は70pFでした。抵抗値が高くなり容量が少なくなると言うことは、プローブ用の同軸としては良い方向に進化していると思われます。

もう少し細くて高抵抗の線も試してみたいのですが見つかりません。ニクロム線にこだわらず、鉄線やカーボン繊維なんかにも目を向けた方がよいのかも知れません。


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