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GX250 インシュレータ(キャブジョイント)修理

普通に使えるくらいに修理が進むと細かいアラが見えてきます。その一つが右側プラグの焼けすぎです。アイドリングさせてインシュレータ廻りにキャブクリーナをかけてみると、ゴムがキャブをくるんでいる部分に異常があることが解りました。

また、旧車の常でインシュレータのゴムはひびだらけ。一部は厚みの半分以上まで進行しているようです。購入すると非常に高いし、たとえ私がお金持ちでもヤマハからは部品が出てこないと思うので(笑)修理することにしました。


ここには修理中のインシュレータ画像が有ります。

向かって右が表面を清掃した後、割れ目と表面に"セメダイン スーパーX"を塗り込んだ状態です。この状態で数分硬化させます。左はその後全周にミシン糸を巻き付けた状態です。

パイプ長手方向の剛性を出すためには、フィラメントワインディングの要領で、ある程度角度(45度くらい)を付けて糸を巻く必要があります。ところが実際にやってみると非常に難しく、実際は5-10度くらいしか角度を付けることが出来ませんでした。

これでは長手方向の剛性や強度はあまり期待できず、円周方向の引っ張りばかり強化されることになってしまいます。まあ理想は理想と言うことで由とします。


ここには完成したインシュレータの画像があります。

糸を巻き終わったらその上に再度"セメダイン スーパーX"を塗っていきます。どうせ見かけは関係ないし、バンドなどでほとんど見えないので気にせずにベタベタ塗ります。

適当に硬化させれば完成です。スーパーXは付きにくい材質にも良く付きますし、硬化するとゴム状になりますからこのような用途にはぴったりだと思います。

右下にあるのは汎用のパッキン紙から切り出したエンジン側のガスケットです。念のためにインシュレータとエンジン、両側の当たり面をオイルストーンで修正しておきます。

いい加減作業とは言え、歪んだ面に古いガスケットでは最低限の性能すら出すことが出来ません。作業や部品の質は悪くても、最低限の作業と確認を行えば最低限の性能は確保できます。


ここには修理したインシュレータを装着した画像があります。

晴れて装着です。バンドが接着されては困るので、バンドの内面にはグリスを塗りました。インシュレータの内面にもグリスを塗っておきましたが、キャブが入りません。どうもキャブ挿入部の外に糸を巻きすぎたようです。ガーーン。。。

筋トレと変わらないくらいの力を入れて、必死で押し込むとやっと挿入できました。しばらくしたらなじむと思うので、次回の脱着は少し楽になっていることでしょう。

早速試乗してみて感激。低速のアクセル追従性が向上しています。また、右側プラグの焼け過ぎも解消されました。見た目的にもあと数年は持ちそうな安心感が出てきました。


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