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GX250 レギュレータによる電源ノイズ

自作のFETレギュレータの動作検証と電源ノイズの確認の意味で、GX250の各部波形をオシロで測定してみました。オシロは最近ガレージに設置した古いHPのDSO。

レギュレータも交換したし最近はバッテリーの状態も良い。12AHが付いているんだから安物の電源くらいの波形が得られると思って始めました。

ところが・・・適当に見ていると確かに綺麗です。よしよしと思ってゴチョゴチョいじっていると、信じられない様な波形が出てきました。


ここにはヒューズ部のノイズ波形が有ります。

これは自作したレギュレータが悪いのかと思い、純正に付け替えて測定したデータがこれです。純正でもなんも変わりません。これは普通に考えるとレギュレータ以外に問題があるか、両方のレギュレータに共通の問題があるかです。

バッテリー端子で測定すると少しはましになります。上記のデータはメインスイッチを経由して各系統へ分かれるヒューズ部での波形です。

エンジンの回転数を変えたり電気的負荷を変えたりして観察してみると、やっぱりレギュレータのON/OFFに起因するノイズに思えてきます。そこでレギュレータ出口(=フィールドコイル印加電圧)を測定してみることにしました。


ここにはフィールドコイル印加電圧波形があります。

やっぱりでした。。。フィールドコイルへの電源をOFFにした瞬間、逆起電力によって結構なノイズが発生していました。オシロ様によればピークは-15Vから+44Vまで振れていたそうです(笑)。

こうなるのは傾向としては解っていたのでフライホイールダイオードは入れています。しかしここまでひどいとは思っていなかったので、ショットキーではなくて通常の整流用を使いました。

やっぱり特性の良いショットキーにすべきだったかと少し後悔しました。でも純正でも全く同じようにノイズが発生しているわけで、この時代のバイクとしては許容範囲の仕様かもしれません。実際、以前に日立の40MHzアナログで適当に観察したときは気が付きませんでしたし、このバイクには問題となるような電子機器はありません。

しかし、私はGPS等の電子機器を付けて試験する事もあるわけで、そう言った面から考えるとせめて数百mV程度までノイズを押さえ込みたい気がします。


ここには改善案を盛り込んだ回路図があります。

色々考えました。たとえショットキーにしても理想ダイオードを持ってきても、コイルとの間を細い線で延々と伸ばしている現状ではたいして改善されない様に思います。

この考えを突き詰めていくとジェネレータにレギュレータを内蔵すれば良いことになります。これって今の車と同じです。さすが電装メーカーの技術者は頭いいと少し関心。

配置的な改良は難しいので別の方向で考えます。相手は生ぬるい?鉛蓄電池なのですからスパッスパッとON/OFFする必要は無さそうに思えてきました。

逆起電力が感じられないくらいにゆっくりと給電をOFFにしてやれば良いわけです。スイッチングの損失がすこし増えますがこんなにノイズを作るよりはましです。ONはそれほどひどくないですが、こちらももっとゆっくりでOKです。

まだバラックの実験もしていないけどこんな改良をしてみようと思います。こういうときはTrじゃなくてFETで良かったです。適当な電圧だけの細工で動作をいじることが出来ますから。


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