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GX250 FETレギュレータの改良

フィールド電流のスイッチング時にノイズが発生していた自作FETレギュレータ。スイッチング速度を遅くする対策をしてみました。

ここには改良後のレギュレータ回路図があります。

回路はなんとなく思いつきましたが定数をどうするかはオシロで波形を見て決定する必要があります。とりあえず手持ちの部品を活用する意味で、10kの抵抗と0.1μのセラミックコンデンサを追加してみることにします。


結果はあっけなく。。。

ここにはレギュレータ試験中の画像があります。

ここには改良レギュレータのフィールド電圧波形があります。

角が鈍りすぎる訳でもなければノイズもない。妥当な波形が取れてしまいました。これもひとえに日頃の行いがよいからでしょう(笑)。

ここままじゃ面白くないので?少しだけ調整してみます。0.1μを3個まで並列にしてみましたが大きな差はありません。3.3μの電解コンデンサを付けたら少し差が出ます。47μを付けたらはっきりと緩すぎるスイッチングになりました。

0.1μはパスコン用のいい加減なヤツなので容量には2倍くらいの誤差があります。また3個付けても一気に悪化しなかったので、製品版?は2個を並列に付けることにしました。

ちなみにこれはアイドリングの波形ですが、デューティー比60%くらいで綺麗にPWM制御されているのが解ります。以前はノイズのせいなのか、こんなに規則正しく綺麗な波形にはなりませんでした。そう言う意味でも大きな進歩です。


ここには電圧波形があります。

確認の意味でレギュレータの茶色線電圧(=アクセサリー用12V配線電圧)を測定してみました。スイッチングに起因するノイズは無くなりました。成功です。

この状態の大きなうねりは約10Hzなのでレギュレータのスイッチング周期と一致しています。電圧は±500mV程度の変動です。すなわち自作したレギュレータは±500mVの範囲で電圧を制御出来ていることが解ります。

成功と言って良いでしょう。ちょっと嬉しいです。


ここにはバッテリー端子での電圧波形があります。

念のためにバッテリー端子での波形も測定してみました。普通のバイクや車では配線の途中で測定したよりも相当綺麗な波形が取れます。

今回のGX250も同じ様な傾向で、±150mVくらいの範囲に収まっていました。なかなか良い感じです。


質問メールを戴いたので追記しておきます。

このレギュレータは、バッテリー電圧に応じてフィールドコイルの駆動状態を変えて発電電圧を調整するタイプ用です。また、その中のマイナス側を制御するタイプです。

他の方式には使えません。バイクは車種や時代によって制御方式が大きく異なります。それぞれに全く考え方が違いますので、良くわからないまま適当に流用すると最悪は配線が燃えたりバッテリーが爆発したりする可能性があります。

フィールドコイルの有るタイプでもプラス側を制御しているバイクの場合は、フィールドコイルの結線を変えるか2SJタイプのFETを使って対称な回路を組めばいけそうですね。


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