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GX250 セミトラ試作2号

容量成分のピークがカットされるのが我慢できないので、試作2号機を作りました。


ここには試作3号機の回路図があります。

FETを500V-8Aの2SK3234にしました。オン抵抗が0.65Ωも有るのと許容損失も小さめなので各2個並列接続して使いました。このFETも秋月で200円です。

適当な高耐圧のTrを探し直さず、オン抵抗が大きめなのにFETを使い続けたのは訳があります。(秋月から既に購入していたというオチは置いといて・・・)Trの場合の損失はVceに依存します。と言うことはあらかじめ損失分の一定電圧が失われるというイメージです。対してFETの場合は抵抗です。電流が少なければ損失は少ないですし電流が多ければ損失も増えます。

このために金と手間をかけるつもりであれば、ラジコンのモーターコントローラのように山ほど並列接続することで効率を上げることも可能です。また点火システムに限定すればFETのオン抵抗を外付け抵抗として積極的に利用できる可能性があります。

今は純正のポイント用コイルを使っていますから単純な損失でしか有りませんが、他車種用の電流が大きめのコイルが入手できた場合、FETのオン抵抗と組み合わせて昔の「抵抗付スポーツコイル」みたいな特性を期待するわけです。

それ以外でふと気が付いて計算すると、ポイント電流を規制する抵抗の消費電力がちょっと大きめだったので1Wにしました。でも220Ω1Wが無かったので820Ωの1/4Wを4本並列にしてあります。


ここには試作2号機の試験画像があります。

一次試作よりもFETの損失が大きいので念のため放熱板を付けます。またセミトラユニットを簡単に交換して評価出来るようにコネクタ取り合いに変更しました。


ここには試作2号機の波形データがあります。

ピークが伸びました。最大で370Vくらいまで行ってます。最初の約2倍までピーク電圧が上昇しています。凄すぎます。

これは本当のピークではなくサプレッサダイオードによるクランプ電圧と思われます。しかし毎回こんな電圧まで行っているわけではなくて、200Vから370V辺りでピコピコしています。

性能が上がるのは嬉しいのですが、コイルやコードの耐圧関係は大丈夫なのでしょうか・・・


正直に言って一次試作のセミトラと差を体感できません。強いて言えば放熱板無しではちょっとだけFETが暖かくなるくらいです。ピークの電圧を見る限りでは、くすぶっていてもガンガン火が飛んでいるはずです。