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ラビット90 スタータケーブルの製作

仮のガソリンタンクに草刈機の混合油を入れて試運転してみると、明らかに混合気が濃い感じがします。フロートレベルが解らなかったのでいい加減という部分はありますが、燃料が無くなりかけの回転具合などを見ていると相当濃い感じです。

これは別の要因だろうと言うことで考えてみると、スタータ回路が怪しく感じられました。ラビットはチョークでは無くてスタータ回路がついています。しかも操作性を良くするためにワイヤーで手元まで伸ばしてあります。

ワイヤーを外してみると動きが悪く、アウターとインナーの長さのバランスも悪いせいかスタータ回路を開閉するプランジャが完全に下まで下がっていない様な感じでした。

このプランジャーの下にはゴムが埋め込まれていて、下まで下がりきるとスタータ用の濃い混合気通路を閉めるようになっています。そのためにケーブルの長さ、プランジャの動き、ゴムの密着、座の傷・・・等も原因となり得ます。とりあえず一番怪しそうなケーブルから。


ここにはワイヤー端末処理の詳細画像があります。

よく見るとキャブ側のケーブル端末はほぐしたワイヤー素線を半田で丸めてありました。そう言えば松本時代に自分で作業したような気もします(笑)。

ママチャリのブレーキワイヤーがぴったりなので、残っていた新品の切れっ端を使って再製作することにします。

左がキャブ側です。キャブ側は外径4mmの真鍮パイプに1.5mmの穴を開けてインナーワイヤーを通して半田付けします。本当は真鍮の丸棒の方が丈夫なのですが、半田の廻りはパイプの方がずっと良いのでこういった壊れても致命傷にならない部品はパイプで済ましてしまいました。

右は操作ノブ側です。真鍮の段付き丸棒の中央に、内径1.8mmで深さ10mmくらいの穴が開いています。ここにインナーワイヤーを突っ込んで半田付けします。穴の先端にはBNCコネクタに良くあるような半田&空気抜きの穴が開いているので作業は楽です。


ここには完成したスタータケーブル画像があります。

アウターや調整金物も含めた完成品はこんな感じになります。インナーの長さは結構重要で、特に短すぎるのは良くありません。短すぎるとノブを戻してもプランジャが閉位置まで下がりきらないからです。

実際の作業はプランジャ側の太鼓を仮止めしてキャブに差し込み、余裕長さを計測してから太鼓の位置をずらして固定し直す作業になりました。


新しいワイヤーセットを装着してエンジンを始動してみると、以前よりもかなり調子が良くなりました。アイドルストップスクリューも随分戻せます。エアスクリューの戻し量は2回強戻したくらいが良さそうです。規定は1.25回転戻しなのでまだどこかが濃すぎる可能性があります。

可能性としては硬化したプランジャ下のゴムから漏れている事も考えられますが、フロートレベルが少し高いのでは無いかと思っています。いずれにしろこの辺はあとで詰めればよい程度の範囲です。


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