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XS650(XS1B) タコメータの修理

タコメータの調子が悪いので修理します。最後に乗ったときまでは普通に動いていたように記憶していますが、なんせ大昔のことなので・・・

症状はケーブル取付ねじがぐらぐらで、エンジンを回すと何時でもレッドゾーンに一直線です。どうも中の回転している磁石とアルミのお椀みたいな部品が接触している様です。

周辺を観察してみると、ハンドルを左に切るとエンジンからのケーブルがメーター本体を強く引っ張っていました。犯人はこれっぽいです。

また、写真の通りにガラスの内側も薄汚れて汚いので、綺麗に出来たらいいな・・・と期待を込めて。


ここには作業前のタコメータの画像があります。

分解前です。オリジナルのXS1、XS1bのタコメータはもうちょっと安っぽいプラスチックみたいなボディーでした。今でもスピードメーターはそれを使っています。

大学の頃?八幡の解体屋でこのタコメータを見つけて交換しました。今にして思えば古いタコメータを取っておけば良かったです。オークションでノークレーム・ノーリターンで売れば小遣いができたかも。


ここには不具合部分の拡大画像があります。

分解にはリング状にカシメた部分を起こさないといけません。この作業で私は手のひらに大きなマメを作ってしまいました。おおざっぱにやれば直ぐですが、復旧のことを考えると丁寧に3-5周くらいで開けるような慎重さが必要です。

中を確認するとやっぱりケーブル取付ねじがぐらぐらでした。この部分は回転する磁石の軸受けでも有りますから、きちんと固定できて居ないと始まりません。

このねじは黄色に見えるフレームにカシメてあります。それが上へ開いてしまっています。全部バラバラにすればきちんとした作業が出来るのですが、上の方もカシメが多用してあって大変そうなのでこのまま修理します。

広がった部分にワッシャを使ったジグを載せて、ラジペンでカシメ直しました。これで固定はOKです。再び強い力で引っ張らない限り壊れないでしょう。

それはそうと爪が伸びすぎています。中も汚いです。幼稚園の先生に怒られます。


ここには調整している画像があります。

磁石が固定できたので、後はアルミの円筒の位置を調整しました。この部分は上から片持ちのアームが降りてきていて軸を保持しています。このアームを微妙に曲げて、磁石と円筒の隙間を一定に調整しました。

軸の廻りにはベトベトの液体が付いています。ダンパーの液が漏れて来たのでしょう。交換用の液も無いし今回は筆にシンナーを付けて掃除だけしてお終いです。

右側に見えるビスがゼロ点調整でした。気になるところなのでここはきっちり合わせておきます。あとはこの段階で目盛りの校正です。偉そうに書いていますが試験機も何も有りません。

JISを調べてみると「JISD5601 自動車用スピードメータ」に規定が有りました。二輪車の場合は軸が1400rpmの時に60km/hを示すようになっています。

XSのタコメータは取り出しのギヤ比からエンジン回転の1/5で有ることは解っています。あとは手元に原付のメータが2個とXSのスピードメータが1個有ります。後は逆転できる電動ドリルに爪楊枝を差し込んで・・・

色々組み合わせてみると、タコメータが2100rpmの時に原付のメータは18km/hでした。これは計算通りです。次に電源装置で高速回転させてXSのスピードメータが40km/hの時にタコメータは4500rpmでした。これは5%くらい相対的に狂っています。

以上より「それぞれがそこそこ合っている」と結論づけてケースに入れることにしました。暇が出来たら速度計校正機でも作ってみたいものです。でももう一回分解するのは嫌なので、校正しても目盛りの横に紙を貼り付ける位でしょう。


ここには完成したタコメータの画像が画像があります。

完成です。縁はいつもの銀ラッカー。安っぽいけどサビサビよりはましでしょう。ガラスも洗っただけですが凄くすっきりしています。


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