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XS650(XS1B) ブローバイガス還元装置の追設

XS1のブローバイガスは垂れ流しです。φ12x600Lのホースで後輪の前に。。。

道路運送車両の保安基準 第二章 第三十一条(ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置) の4項には以下の通り規定があります。

4  内燃機関を原動機とする普通自動車、小型自動車及び軽自動車には、炭化水素等の発散を防止することができるものとして、機能、性能等に関し告示で定める基準に適合するブローバイ・ガス還元装置(原動機の燃焼室からクランクケースに漏れるガスを還元させる装置をいう。以下同じ。)を備えなければならない。

告示の内容を調べていると、識別表示と同様に古い車は適用が除外されている事も解ってきました。基本的な考え方は「その車が出来たときのノーマルなら車検は通す」と言うイメージみたいです。

古い自家用車に識別表示がなくても他人に迷惑をかける可能性はほとんどありません。しかしブローバイガスを大気に放出しながら旧車に乗ることは、例え法律が許してくれていてもあまりカッコイイ行為とは思えません。

キャブセッティングが変わるかもしれませんが自分の美意識に則って、自己流ブローバイガス還元装置を追設することにしました。


ここには配置検討中の画像が有ります。

配置検討中です。この配置が最終案となりましたが、ここまでに色々と悩みました。本来なら出来るだけエンジンに近い位置に取り付けた方が拡散は防げるはずです。

しかし負圧の大きな場所に放出してしまうと、PCVバルブ的な装置を追加しないとキャブ側への影響が大きそうです。構造も加工も整備性も、ほんの少しの変化で済みそうな場所がこの場所になりました。

この場所はエアクリーナエレメントの外側です。しかもバルブは付いていません。そのためにエンジンが停止中は大気開放に近い状態になってしまいます。

しかしエンジンが回転していれば、この部分の空気はエレメントを介してエンジンに吸入されていますから、十分にブローバイガスの拡散を防ぐことが出来ると思います。

定量的には何とも言えませんが、カンジニアリングでは完璧なクローズドシステム比で97%(原動機運転中)の効果が有ると出ました(笑)。


ここには穴開けの画像があります。

穴の位置です。エレメントのエンジン側にしなかったのは加工上の問題も有ります。XS1のエレメントケースは大変凝った構造になっていて、キャブ側の壁は二重構造で内壁はベルマウスになっています。そのためにエレメントのエンジン側にホースを突っ込むには、板を2枚貫通しないといけないのです。

そのへんの嫌らしさを避けるためと、プラスチックが自由にならない時代?に板金だけでこんなに凝った構造を設計してくれたヤマハの設計者の苦労を尊重したい気持ちも有りました。


ここには接続ホースの画像があります。

ホースとジョイントです。ホースは内径12mmの耐油ホース。ホームセンターで30cm135円でした。ジョイントもホームセンターの12mm用T分岐で3個入って450円でした。

ホースはガソリンホースに使って、1年間で体積が1割減少する程度です。ブローバイガスには十分な性能でしょう。ジョイントは水道コーナーに有ったので耐久性が疑問では有ります。もし問題が起こったら真鍮パイプででも作り直しましょう。

固定は左右のエレメントケースでジョイントを挟み込む形になります。ジョイントの位置決めの為にあまったホースを切って押し込んであります。

長さはエレメントケース内に5mmくらい出っ張る長さです。これで丁度エレメント表面にジョイントの開口部が接触する程度になります。

気持ち悪い色の手袋はオカモトのニトリル系耐ガソリン手袋です。この程度の作業なら上に革手をしなくても破れません。洗い油に漬けても何ともありません。家に帰ってから臭い臭いと言われることも有りません。素晴らしいです。お薦めします。


ここには内側からみた画像があります。

装着状態です。良い感じに収まってくれたので、後はケースを外して錆を落として再塗装しましょう。

貴重なオリジナル部品に穴を開けてしまいましたが、こういった改造であれば当時の技術者達も許してくれると思います。


まだ車検を取って無いので性能的な変化が解りません。アイドリングでは大きな変化は無いみたいです。

今まで大気開放していたホースを見ても、あまり汚れて居ないので大した量のブローバイガスは出ていなかったのかもしれません。

そう言えばキャブのフロート室のエア抜きも大気開放でした。これも適当なところに繋いで吸い込ませてしまいましょう。でもこっちは負圧をかけてしまうと油面が上がるので結構まずいかもしれません。


ここには塗装後の画像があります。

おまけで塗装後の画像です。残り物のラッカーを刷毛塗りしたので妙な凹凸と艶で変な感じ(笑)。でも普段は見えないところだからOKにしましょう。

ホースがそれっぽい位置に消えていって、それなりの雰囲気に仕上がりました。


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