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XS650(XS1B) 低損失レクチファイヤの製作

GX250に倣ってXS1にもショットキタイプのダイオードを使ったレクチファイヤを装着します。


まず純正のレクチファイヤの性能を測定してみました。測定電流はGX250の時と同じ10Aです。

純正レクチファイヤの「黒」から「赤」へ10A流したときの電圧降下は2.22Vでした。この部分での損失はP=2.22x10=22.2Wとなります。

GX250と同じショットキダイオードを使った場合、「黒」から「赤」への電圧降下は10Aの時に0.723Vです。この部分での損失はP=0.723x10=7.23Wとなります。

レクチファイヤを交換するだけで22.2-7.23=15.0Wもの改善になるわけです。また、低回転域ではオルタネータ発生電圧がΔV=2.22-0.723=1.50V低くても充電できる事の方がメリットが大きいかもしれません。


ここにはレクチファイヤ製作中の画像があります。

レギュレータの時と同じように、見た目は1970年で性能は今風を目指します。

純正のレクチファイヤと同じようにM8のボルトを軸にして各端子を並べていきたいのですが、絶縁スリーブを準備しないといけません。M3とかM4のスリーブなら手持ちが沢山ありますが、M8用は有りません。直ぐに購入も難しいかもしれません。

と言うことで、旋盤が来て丸物を自由に操れるようになるまで、このままでしばらく放置しておくことになりました。


ここには新旧のレクチファイヤ画像があります。

せっかくXS1のレクチファイヤを外したので、試しにGX250で作ったレクチファイヤを付けてみました。内容はほとんど一緒なのでコネクタ内の配置が変わるだけです。そんなに違和感なく付いたので、しばらくこのままで使うことにしました。

性能的にはかなり改善されています。ヘッドライトがOFFであれば、始動直後の900rpmでも既に14.3Vにコントロールされています。ライトさえ消していればアイドリングでも十分充電できるわけです。

ヘッドライトをONにしてみると、1200rpmくらいまではフィールドコイルを最大励磁しても発電量が追いついておらずバッテリー電圧は13V台です。しかし1300rpmまで上げれば収支がトントンになってきて、バッテリー電圧は14.7Vに落ち着きます。

これで信号待ちのアイドリング以外では、電力消費を発電量が追い越したことになりました。ヘッドライト常時点灯でもかなり安心して乗ることが出来ます。

低損失化のもう一つのメリットとして、旧車で壊れたら困るオルタネータの保護が有ります。同じ電力消費の場合でも低損失の回路ではオルタネータの負担が軽くなります。フィールドコイルも給電ブラシもステータコイルも楽が出来る訳です。


今後の展望としては、見た目1970年代バージョンを完成させる事。さらに低損失のダイオードを探して見ること。昼間ヘッドライトON回路を見直して不要なテールやメータ照明を点かないようにすること。等でしょうか。

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