RIGHT STUFF, Inc.Right Stuff Wrong Stuff2006年皆生トライアスロン当日 朝の準備 3時半に目覚ましをセットしておきましたが、3時15分頃に目が覚めたのでそのまま起き出します。懸案の胃のもたれは無かったので直ぐに食事です。 去年の反省から今年は米主体の食事。助六寿司、よもぎどら焼き、野菜ジュース、昨日の残りの干しぶどう、ビタミンB剤、を食べました。もう1品くらい食えた感じです。 自転車に補給食をセットしたりしていたら、便意を催してきたのでトイレへ。昨夜に続いてバナナ2本分くらいの快調なウンコが出てきてにっこり。ここまで来れば後は1日動き回るだけです。 機材的には去年忘れたワセリンを確実に鞄に入れ、雨の予報なのでサングラスのレンズをクリヤに交換しておきます。5時にホテルの下に降りて、みんなと一緒に会場までバイクを押していきました。
スイム 会場に着いたら直ぐに時間が過ぎて行きます。首や脇のワセリンを忘れないように塗ってスタート地点へ移動です。全く緊張していません。結果で将来や収入が左右されるプロじゃ無いのだから当然と言えば当然ですが。 スイムスタート地点から最初のターンポイントを見ると、コースロープが大きく左に流れています。右からかなりの水流があるみたいです。皆さん考えることは同じで、右側に沢山の選手が固まっています。私も右側の後方半分辺りからスタートすることにしました。 スタート後は割と好調です。右端でスタートした後は癖で左にずれてしまい、ちょうど左端のコースロープ沿いに泳ぐ集団と、右端からターンポイントを直線で泳ぐ集団の間を泳いでいた様です。 「結構進むようになったもんね・・・」などといい気になりながら泳いでいると、ターンポイント辺りで両側から凄い集団に巻き込まれてしまいました。最初の頃は人に揉まれながらもガンガン泳いでいましたが、或るタイミングで力尽きてしまい死にかけの状態へ。 ちょっと調子に乗って自分の実力よりも二回りほど速い集団に入ってしまったようでした。しかし2年生なので少しは落ち着いていて、徐々に左端に位置取りを変えていって集団から離脱することが出来ました。 後は心拍が下がって精神面も落ち着くまでゆっくりと端っこを一人で平泳ぎしていました。監視員から「大丈夫ですか!?」と言われたりしながら(笑)。 プールで去年よりも少しだけ進むようになったので、いい気になって中途半端な位置からスタートしたのが大きな間違いでした。混雑の中で1時間5分位を出すには、まだまだ修行が足りません。 何分間休んだのか解りませんが、その後はレースに復帰して折り返し点を目指します。折り返し点では34分でした。これなら去年並みのタイムは出せると確信したので、帰りは無理をせずにゆったりと泳ごうと頭を切り換えます。 帰りは人の泳ぎを見ながら泳いでみたり、割と余裕で帰ってきました。去年は必死だったのでロープや監視員に近づいてからコースの端を認識する状態でしたが、今年の帰りに初めて自分なりにコースと位置を把握して泳ぐことが出来た気がします。 最後は心拍を下げながらスイムアップ。スイムタイムは1時間12分31秒。去年より2分悪いけれど心拍は相当低いし何も心配のないスイムの終了でした。
トランジット トランジットも去年に比べてゆったりです。ウェットを上下とも脱いでシャワーを浴びそのままバッグを取りに行きます。バッグからサングラス、ヘルメット、GPS、ゼッケンベルト、シューズを出して順に身につけていき、ウェットをバッグに押し込んで着替えは終了です。 後はGPSの電源を入れてバイクの所まで歩いていき、バイクを押してスタート地点まで移動しました。去年のGPSはFR301ですが今年はFR305を使っています。受信には定評のあるSirf社のチップを使った最新版です。毎日使っていればだいたい電源を入れた瞬間に測位します・・・ 今日に限っていつまで経っても測位しません。そう言えば練習でもたまにこういう事が有りました。その時は分の単位で測位を待たなければなりません。アララ・・・と思っているとスタート地点の直前で測位してくれました。 GPSのスタートボタンを押してスタートします。去年はこの地点での心拍数が160拍も有りましたが今年は133拍です。ゼッケンベルトの導入や下にウエアを着ておく事等による改善で随分とトランジットに余裕が生まれました。走り回らずにゆったりと着替えが出来たおかげです。 トランジットの時間は正式記録には出てきませんが、GPSデータから拾っていくとバイクのスタートライン通過が8時18分59秒でした。トランジットタイムは6分28秒と言うことになります。去年のタイムが約7分なのでほとんど短縮できていませんが、気持ちと体の余裕が心拍数の低下になって現れています。
バイク バイクがスタートしてからも慌てずにペースをコントロールするように努めました。当初の予定通りに155拍を目標に走ります。今の心拍数範囲は46拍-185拍程度なので、155拍は十分に余裕のある心拍でしょう。 155拍を維持していれば体調的には非常に楽です。小雨が降って気温が低めなので食事も受け付けます。補給食を予定通りに食べながら、ドリンクと体冷却用の水を20km毎にエイドで補充して走り続けました。 自分としてはランに向けて余裕のペースで進んでいるつもりなのですが、前の選手をどんどん拾えます。DHバーは大半の選手が装着して低い姿勢で漕いでいます。従ってこれの効果とは考えられません。 するとやっぱり「がに股漕ぎ」で本来の筋肉が使えていると言うことなのかもしれません。ちょっと嬉しくなってきましたが、ここで調子に乗ると後が怖いので155拍をキープします。この辺は経験値がだいぶ上がってきました。 12km地点くらいでしょうか、前方になおちゃんを発見。彼女のスイム能力から考えるとあり得ない位置関係です。しかもかなりの速度差で接近しています。抜きざまに声をかけてお尻ペンペンして見ましたが反応がイマイチで元気が有りません。どうも調子が悪そうです。彼女との登り対決を楽しみにしていただけにちょっと残念でした。 大山の登りはコースが一部変更になっていました。ちょっと走りにくい感じもしましたが、車と絡む可能性は低くなったので安全性は高くなったように思います。この辺りも155拍キープで登りました。 80kmあたりから雨が酷くなってきました。周期的に大粒の雨が降り注いできます。下りでガンガン漕ぐことが難しくなって来て、心拍が少し低めになってきました。でもこれは仕方ないです。 多くの選手が下りでは急にスピードが落ちてしまいます。私はこれよりも、もっともっと酷い2003年の阿蘇望に参加したことが有るのと、雨でも気にせずに練習してきたので廻りの選手ほどスピードを落とすことなく通過することが出来ました。 各地で土砂崩れと通行止めが相次ぎ、当日も大雨洪水警報が出て、山には雷が落ち、道路には数センチの水が流れているような状態でしたが、熊本県サイクリング協会は阿蘇望を開催しました。今では感謝しています(笑)。 折り返し地点の近くで田川さんを抜きました。これも非常に意外です。ランのタイムが近いので彼女の事は勝手にライバルなどと言っていましたが、ロングのトラに関しては経験値が全く違います。事実昨年も相手にすらならずに時間単位の差が付いて居ました。 その彼女を抜けたと言うことは・・・フッフッフ。などと考えて走っていきました。するとサドルの後ろで異音発生。覗いてみるとサドルバックが落ちかけていました。絡まって転けると痛いので止まって装着し直します。でも後ろから田川さんが来そうで慌ててしまい、指が震えて2分くらい時間を要してしまいました。 100kmくらいからトイレに行きたくなってきました。しかし去年の様に異常な状態では無くて普通のおしっこです。このまま止まるのもシャクだし、何事も経験なので走りながらおしっこをしてみることにしました。 出ません。頑張っても出ません。尻を浮かせてかるーく立ち漕ぎをしてみると少しだけ出ました。2ccくらい。その後はしばらく全くでなくなりました。 こういった状態を何回か繰り返した後、ウンコを出すくらい気張ってみたら、初めて太ももに暖かい感触が走りました。うーん、気持ち悪い(笑)。 レーパンと脚と靴がおしっこまみれです。でも外は酷い雨なので数十分もすれば全て流れてしまうでしょう。多少残っていても元々は血液だった液体です。パンツに付いたウンコの筋の方が汚いはずです。そんなことを思いながら走っていると平均心拍が145拍くらいになってきました。 一つ勉強したこと。股や足首の軽い擦り傷におしっこがかかるとヒリヒリします。幸いにも今日は強い雨で直ぐに流れてしまいましたが、何時までもおしっこの成分が残ったままだと炎症になるかもしれません。いくらオムツが高性能になったとしても、こまめにオムツを交換することは重要だと実感しました。特にオムツをしているのはうまく物を言えない幼児や年寄りですから。 残りの平地区間にさしかかってきたのでもう少し強度を上げたい所です。しかしこの頃から太ももにピクピクするところが出てきてしまい、最終的に145拍くらいで最後の30km位を走りきりました。 トランジットを入れた公式バイクタイムは5時間09分00秒。トランジットを抜いた純粋のバイクタイムは5時間02分32秒です。GPSによる距離は139kmしか無かったので、これを基準に計算すると平均速度は27.6km/hとなりました。
トランジット バイクゴールしてからも、去年とは比較にならないくらい落ち着いてランの準備が出来ました。今回はちょっと下げすぎの傾向は有りましたが、トランジットの前に強度を下げて置くのは気持ちの余裕という面では悪くないレース構成と思います。 バイクの最後の辺りからボトルの事をずっと考えていました。今年の作戦は体冷却用のボトルを持って走ること。でも今は小雨が降っています。結構長い時間悩んで出した結論は、エイドのスポンジを持って走ることでした。 バイクラックにバイクを掛けて着替えを取りに行きます。ヘルメットを脱いでバイクシューズを脱いで足を拭いて靴下をはいてからゲルフェザーに履き替えます。ゼッケンベルトを外して補給食入りのウエストポーチに交換します。この前後にはゼッケンを貼り付けています。あとはそのままランスタートへ。 最初の4.4km区間を考慮して、トランジットエリア最後にあるエイドで十分に水分補給をしておきました。この段階で心拍数は130拍。十分に低い状態です。ゆったりと着替えが出来た証拠でしょう。 エイドを離れた時刻はGPSデータから13時25分32秒です。バイクゴールが13時21分31秒なので、トランジットタイムは4分01秒と言う事になります。去年は約6分かかって居ましたから、2分短縮できました。しかも去年は心拍数168でエイド前を通過しています。大きな違いです。
ラン スタート地点のエイドにはスポンジが無かったので少しだけ予定が崩れてしまいました。でもこの時点ではそれほど暑い感じでは無かったので給水だけで4.4km先までは問題無さそう。心拍は当分155拍を維持で行く事にします。 信号でなかなかペースが出来ないけれど、スタート時の余裕が有ったので慌てずに最初のエイドに到着。ここで軽く給水した後で頭から水をかぶり、水を吸ったスポンジを手に持ってスタート。 心拍だけはたまにチェックして155拍を大きく越えないようにしたけど、ペースは気分に任せて走ってGPSでの確認はほとんどしていません。いつもの感覚ではキロ5分30秒くらいでしょう。 調子は悪くないけど左足の踵が痛くなってきました。大会前の練習中に時々痛くなっていた部分で、これからの長丁場に向けてちょっと心配です。日差しはそれほど強く無いけれど、蒸し暑い嫌な天気です。エイド毎に止まって水をかぶっり、冷たいスポンジに交換しながら走りました。 街中の歩道が終わり去年よりだいぶ進んだところで先頭とすれ違い始めました。先頭のタイムはそれほど変動無いはずなので、自分のタイムがかなり向上しているのが確信できます。しばらく行くと前田さんが来ました。いつも見ないような相当キツそうな顔をしています。 折り返し地点を過ぎてしばらく行ったら田川さんとすれ違いました。彼女も前田さんと変わらないくらいキツそうな表情。差は2kmくらいでしょうか?それに比べて私は155拍で心肺的には結構楽なイメージで走って居ました。 この頃から左足の踵が相当痛くなってきて、時折ふくらはぎにも軽い痙攣が出るように成ってしまいました。踵の痛みは最近感じて居たので仕方ないかと思うけど、ふくらはぎは明らかに走り込み不足です。せめて歯磨き中のつま先立ちでもやっておけば良かったと反省。 脚が攣りそうなのと踵の痛みでペースが上がりません。心拍は145位まで下がってしまいました。勝島さん、丸本さん、永田さんともすれ違いました。脚も痛いし無理せずにこのまま行っても前田さんに次いで仲間内の2番手には成れそう・・・後ろ向きな打算が頭に浮かんで消えて行きます。 なおちゃんとは相当ゴール近くになってすれ違いました。今年の彼女は相当調子が悪そう。ザイマさんとはすれ違っていません。でもレース中の彼は存在感が薄いので(笑)どこかに居るはず。 30km辺りから踵の痛さとふくらはぎのピクピク感が増してきました。自分のペースがキロ6分としても、あの状態の田川さんが追いつくのは難しいはずです。もし追いつかれても今の心肺的な余裕なら、その時点でスパートを掛ければ良いのでは・・・踵が痛いのでどんどん思考が後ろ向きに成ってきます。 それほどキツクもないけれど、踵の痛みだけは感じながらゴールまで帰ってきました。最後の直線に入って最後の信号待ちからスタートした瞬間、歩道からザイマさんが出てきました。しかも着替えています。 ガーン。田川さんに勝ったことを確信していい気分で最後の直線を走っていたのに、同じ2年生の彼は既にゴールしていたのです。何回も「何時にゴールした??」と聞きましたが廻りが騒々しいので聞こえません。ザイマさんショックと完走の喜びを噛みしめながらゴールに入りました。 トータルタイム10時間17分40秒で149位。トランジットを抜いたランだけのタイムは3時間52分08秒でした。トータルタイムも去年から1時間以上短縮できていますが、自分的にはトライアスロンのランでサブフォーを達成できた事の方が嬉しかったです。 ゴール後に駆け寄ってくれたザイマさんに再び問い合わせると、なんと彼はバイクの途中でリタイヤしていたのでした。うーん残念。2年生同士の対決は不戦勝に成ってしまいました。この勝負は来年に持ち越しです。
ゴール後 ゴール後ろで一息ついていると田川さんが帰ってきました。差が1分位しかありません。もうちょっと距離が有れば追い越されて居たことでしょう。彼女の消耗度合いは結構凄くて、中途半端にしか追い込めていない自分を少し情け無く感じました。 芝生で脚を伸ばしてゆっくりして、鉄人ラーメンを食べて飲み物を飲んで落ち着きます。体がベタベタするので温水シャワーを浴びましたが着替えをホテルに忘れてきました。仕方ないので一旦ホテルに帰って着替える事にします。荷物を持って帰ろうとしたら、応援の岡田さんが荷物を持ってくれました。ありがとう御座います。 ホテルで着替えて再度ゴールへ出陣です。あまりに腹が減っているのでローソンに寄り、ソフトクリームと牛乳500ccと魚肉ソーセージを買ってかじりながらゴールに向かいました。 ゴールでは安本さん達と話しながらなおちゃんのゴールを待ちます。薄暗くなってからなおちゃんが帰ってきました。そうとう脚の調子が悪そうですが、最後は笑顔で丸本さん達とゴールです。暗くなって友人とのゴールはいかにもトライアスロンらしくていい感じです。でも彼女は体育会系なので、今年の不調の悔しさも噛みしめていたことでしょう。 みんなで記念撮影をして各自のホテルに帰りました。いつも悪口しか書かないと文句を言うので、少しはいいところも見せようとなおちゃんのバイクをホテルまで押していってあげました。 2006年の皆生が終わりました。 恥ずかしくてWEBには書けませんでしたが、自分の中ではシード権があるらしい200位以内を目標と考えていました。かなり難しいとは思っていましたが、割とあっけなく目標をクリヤしてしまいました。 最初から最後まで強度などをコントロールしてレースできた事が、好成績の最大の要因かと思います。去年は全く余裕が無く、とにかく先へ先へとばかり考えて動き続けました。今年は先のことを考えながら強度を調節し、いかにもロングらしい展開に持って行くことが出来ました。 去年はキツくてほとんど声を出すことが出来ませんでしたが、今年はボランティアの人達にも沢山挨拶やお礼が出来ました。車の中から手を振ってくれる子供達にも笑顔で手を振り返す事が出来ました。この辺は大きな進歩です。 反省点も有ります。バイクの一番最後の部分やランの後半、もっと強度を上げることが出来たのに、「計画性」と言う都合の良い言い訳を理由に低い強度のままレースを終えてしまいました。特にランの後半などは、信号待ちでも明らかに廻りの選手と呼吸が違うのが解りました。最後の最後なのだから、もっと追い込むべきだったと反省しています。 こんなことを色々考えながら、ベッドに入ったら直ぐに寝てしまいました。
Dr.Treky氏による集合写真。 なおちゃんがゴールして一息ついてから、みんなで集合写真を撮りました。いい笑顔です。 |