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ForerunnerのACアダプタ

ForerunnerのACアダプタが海外旅行で壊れた・・・と言うことなので分解してみました。せっかくなので内部の構成や回路を調べておきます。


ここには銘板の画像があります。

分解前に銘板の確認から。

入力は「120VAC 60Hz 10W」と成っています。アメリカを基準に作られて居ますからこのような表示に成っていますが、日本の定格100Vでも問題なく使用できています。50Hzでも問題はありません。

今回の故障はイタリアで220V?に差し込んだ後から使えなくなったそうです。スイッチング式のACアダプタであれば100-240Vまで対応している製品が有るのですが、このタイプは100Vのみ対応です。

出力は5Vで400mAとなっています。それほど大きな充電器ではありません。USBからでも同じ程度の時間で充電できてしまうのが解る気がします。


ここには焼損したアダプタの画像があります。

筐体は上下2分割で、インロー部分が接着されています。仕方ないので合わせ目あたりを鋸で切断しました。この写真では良く解りませんが、トランスの反対側あたりが焦げたような雰囲気に見えます。1次側の抵抗も無限大です。

回路的には非常にシンプルです。三端子レギュレータを使った定電圧回路が入っているだけでした。レギュレータには放熱器が有りません。しかも筐体に接触させる等の工夫もなく密閉されています。

発熱が少ない事を前提にした設計のようです。8Vか9Vくらいのぎりぎりの電圧をドロップさせて居るのでしょう。若しくは低ドロップタイプの三端子レギュレータでもっと低いのかもしれません。充電電流も充電初期は400mAくらい流れても、後半になったらそこまで流れないという判断かもしれません。


ここには回路図があります。

回路図を起こしてみました。トランスは中点タップ付きなのでダイオード2本で全波整流しています。記号が読みにくいのですが、「IN400?」までは読めるので多分「IN4001」だと思います。

内蔵リチウム電池充電に関する制御は何も有りません。この辺りは本体内部にコントロール回路が有るものと思われます。安定化されて400mAくらい流せる5Vをぶち込めば、後はForerunner内部の仕事と言う事です。

簡単な回路とは言ってもその辺のACアダプタとは違うことを認識しておく必要が有ります。その辺のACアダプタは同じ様なスペックが書いてあっても、無負荷で9V出ていたりする物が沢山あります。回路図で言うC1の辺りまでしか入っていない物が大半だからです。

壊れた原因ですが良く解りません。通常のトランス出力を10Vとすれば入力2倍で20Vです。7805の入力範囲は35VまでOKです。短期的には普通に5Vを出力していたはずです。

長時間使っていればレギュレータの発熱が設計の数倍に成りますから筐体内の温度は上昇するでしょう。さらに続けると熱でレギュレータがシャットダウンするかもしれません。しかし入力をショートしてしまうことは無いはずです。しかも壊れているのはトランスの1次側・・・と言うことは、過大入力その物でトランスの1次側が発熱とか絶縁とか、そう言った問題で壊れてしまったのでしょうか。

トランスが壊れてしまっているので、後は適当な8V-500mA位のトランスかACアダプタを探してきて、レギュレータ回路だけくっつけて自社用に再生するしか使い道は有りません。流石にトランスをまき直す試みはやる気が起きません(笑)。


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