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旋盤の駆動方式と電源

工業高校?の取り壊し時に出た旋盤。只で譲り受ける約束はしたもののマンション住まいのためにどうにも成らず、友人のところに数年間置きっぱなしに成っていました。田舎に戻ってきたのでそろそろ稼働開始です。

置き場は何とか確保しましたから後の問題は電源です。友人に確認して貰ったところ、旋盤のモータは三相200Vで0.4kWと言うことです。我が家には単相三線式で200Vは来ていますが三相は来ていません。以下に自分なりの案を出してみました。


一番の正攻法は新たに三相の動力を引くことです。

TIG溶接機、フライス盤、大型コンプレッサ、etc.バラ色の?将来が約束されますが、コストは大きな問題です。


割と現実的な解決策は単相100V入力三相200V出力のインバータを用意することです。

モータが0.4kWなので100V入力であっても無理のない範囲です。可変速出来るのも大きな魅力です。コストは2万から7万と言った感じでしょうか?

200V入力の中古インバータに比べると割高感が有るのと、単純に解決してしまって面白くないと言うデメリット?が有ります。


次に現実的な解決策は三相200V入力のインバータを単相200V入力で使うことです。

入力のリップルが大きくなるために、動かないかもしれませんし動いたとしても正規の能力は出ません。一例として安川電機の製品では半分の出力で使えと書いてあります。今回の例では0.75kWを手配する事に成りそうです。

メリットとしてはインバータが一般的なので中古が1万円以下で入手できることです。また高機能なベクトル制御タイプなども選択可能です。旋盤の側面に「VVVF Vector」等と書いておくと格好いいです。一部の電機屋と鉄道オタクしか感動してくれないとは思いますが(笑)。

極力三相の全波整流に近づけるために、インバータの平滑コンデンサを大型化するとか、RSTのどれかにコンデンサ経由で位相のずれた入力を入れてやるとか、いくつか危うい案を思いつきますが、本当に旨く行くかどうか解りません。

もう一つの問題はガレージに常時単相200Vが来ていない事です。溶接機は単相200Vで使っていますが、使う度に25mのキャブタイヤケーブルを母家から引っ張って給電しています。これを機会に配線してしまう方が良いのかもしれません。


少し趣味に走った解決策は三相200V入力のインバータを単相100V入力で使うことです。

この場合は電圧が不足しますので倍電圧整流してやる必要が有ります。倍電圧整流を行っても所詮単相ですから、三相に比べるとリップルは大きなままです。やはり0.75kWのインバータが必要に成りそうです。

リップルを減らそうと高耐圧・高容量のコンデンサを手配するコストを考えると、素直にメーカー製の100V入力インバータにした方が利口かもしれません。


かなりゲテモノ的な解決策は三相出力の発電機を用意することです。

停電しても旋盤が使えるとか、災害時に普通の発電機としても役に立つとか、チャンスのほとんど無い優位点を上げることは出来ますが、あまり良い案とは思えません。

それに私は面倒くさがりなので、旋盤を使う前にエンジンを掛けるなんて出来ないかもしれません。その時にキャブが詰まっていたりしたら、一生使わなく成ってしまうかもしれません。


最もバカらしくて人生のプライオリティーを無視した解決策はインバータを自作することです。

正弦波出力は難しいと思いますが、120度おきに三相をオンオフするだけの矩形波出力であれば作れるかもしれません。性能や高調波等の副次的な問題も多々ありますが、自分で作ったという満足感は何物にも代え難い気がします。

また、今まで機械でも電気でも、こうやって一見遠回りに見えるアプローチを行った物ほど、深い理解を得られて後の応用が可能になると言う経験もしています。

とは言っても、今回の目的はまず旋盤を使えるようにすることなので・・・主軸が回るまで年の単位が必要に成るのは困ります。


旋盤が来ることが決まってから、毎晩寝付く前にこんな感じで色々悩んでいます。こういう悩みは楽しいです(^^)。ワクワクしてなかなか寝付けません。


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