RIGHT STUFF, Inc.Right Stuff Wrong StuffNikon D200の10ピンコネクタに関する色々 D200用のオプション製作依頼があったので、色々調べてメモに残して置きます。 2006年の時点で掲示板にも数件書き込みがあったように、既に個人的にGPSケーブルを作っている方も居られます。しかし元ネタが海外のページだったり銀塩の時代から引きずってきた資料だったりします。と言うことで自分なりに検証しておきましょう。 コネクタに付いて調べてみましたが、簡単に入手できる規格では有りませんでした。GPS関係に必要な数本のピンに限定すれば、ミニDINを改造すれば実用的に使えるプラグが作れます。しかしNikonを選ぶようなお客さんは接着剤やパテで固めたプラグでは満足して貰えないでしょう。 と言うことで、両側にジャックが付いてお得な?純正の接続ケーブル「MC-23」を購入して接続を調べて見ることにしました。「MC-23」は定価で5,000円くらいします。かなり痛い出費ですが小さなプラグはねじで固定できるように成っていたりして、Nikon程度の企業がこの価格で利益が出るのだろうか?と心配になるような作りの良さです。
「MC-23」の内部は10ピン全てが結線してありました。その配線の色を見ていくとカラーコードその物です。D200のジャックに配置していくと順番に並びます。これはどう考えてもこの図のようなピン番号と考えて間違いないでしょう。 検索すると日本の方で1名、同じような考えで番号を想定しているページを発見しました。しかしそれ以外の海外のページは何故か違う番号が割り当てて有ります。私にとっては凄く違和感が有るのですが、国によってカラーコードが違うとか有るのでしょうか?
こちらは「MC-23」のプラグ側です。「MC-23」の両端のプラグをよーく見ると違っていることが解ります。内部に「A」と「B」の2種類の刻印が有るのです。この写真は「A」タイプです。 「B」タイプは「赤」と「青」が入れ替わってクロスしています。2台のカメラを接続するケーブルですから、この2本が送信線と受信線である事は何となく解ります。 上記の訂正というかNikonの仕様変更なのか製作工場のミスなのか解りませんが、両方のコネクタとも「B」マークが入った「MC-23」ケーブルが有りました。こう言うのが出てくるとケーブルの色さえも信用できない可能性が出てきます。確実にピンとの関係を測定してから進めという神のお告げなのでしょう。 後は先人達の資料を参考にしながら、いつもの様にテスターやオシロでコチョコチョ触って当たりをつけて行きます。以下は詳細のメモです。
2番の茶色端子には常時5Vが出ています。これは電源スイッチのオンオフやスタンバイモードに関わらず出力されるので、実験的に先バラのケーブルを繋ぐ様な時には注意が必要です。 順番が逆に成りますが、4番の黄と5番の緑は内部で直流的には接続されています。シグナルグランドとパワーグランドであると書いている資料も有りますが、その資料のピン番号がカラーコードを無視した変な順番だったりするので信憑性は??です。 2番端子の無負荷電圧は5.08V程度有ります。しかし0.1mAも流せば4.8V程度まで落ちてしまいます。5V±5%を実用範囲と考えれば、精々0.1mAが実用範囲と言えます。 しかしその後の電圧低下は緩やかなので、5Vに拘らなければ何かに使えるかもしれません。ただ、このグラフは短時間の測定ですから、長時間・長期間の使用では何らかの悪影響が有るような気がします。 Nikonのオプション品を沢山解析すれば解るかもしれませんが、普通に考えてNikonの技術者が5Vの電源としてこの端子を準備しているとは考えにくい出力特性だと感じます。
こちらは8番の灰色端子の特性です。この端子はカメラのメイン電源を入れると5Vが出てきます。しばらく操作をしないで待機状態になってしまうと0Vに成ります。この状態で何らかの操作をして待機状態から目覚めれば再度5Vが出てきます。 待機状態に関してはNikon用語?で「半押しタイマー」がオンで有るとかオフで有るとか色々と有るようですが、私には良く解らないので待機状態と表現しています。 8番端子の無負荷電圧は5.11V程度です。2番端子と同様に電流を流すと一気に電圧が落ちてきてあるゾーンで落ち着く傾向を示します。しかし2番よりは強力です。5V±5%を実用範囲と考えれば、40mAまでが実用範囲と考える事が出来ます。 こちらも短時間の試験をベースに私が想像しただけですから、40mAの機器を繋いでD200が壊れても私は知りません(笑)。同様に他の機種でも同じ特性を示すかどうかは解りません。
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