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トルクレンチとかハンドツールとか

安物トルクレンチのページにかなりのアクセスが有るためか、トルクレンチや工具に関して質問のメールを頂くことがあります。なるべく丁寧にお答えしようとは思っていますが、時間が無くて雑なお返事になってしまったりすることもあり、申し訳なく思うこともしばしばです。

そこで、トルクレンチに関しては同じ様な内容が多いことから、共通の話は纏めて書いてしまおうと思いました。ハンドツールに関してはメールを頂く方の期待しておられる?答えと、私の選択基準があまりに違うんじゃ無いかと感じることが多々あり、お返事が書きにくい様に感じることが有りました。

以下に或る程度纏めてみましたので、メールを送っていただく前に一読して頂ければ幸いです。


ここにはトルクレンチの画像があります。

私のトルクレンチです。上から
 SunAceの1/2角で、28Nm〜210Nm、3,980円
 BEST TOOLの3/8角で、13.6Nm〜108.5Nm 2,780円
 ベッセルのドライバを使った自作3/8角で 0Nm〜12Nm
となります。今気がつきましたが13Nmあたりに隙間が有りますね。

高い製品を買わない理由ですが、そう言う性格だからです(笑)。もし私がランボルギーニのミウラを所有して自分で整備するくらいのお金持ちであっても、今の整備頻度であれば同じ様なトルクレンチしか買わないと思います。

実用的な工業製品に関して、私は使用頻度の低い物にコストやエネルギーを掛けるのは美しくないと感じるからです。かといって、スズキのチョイノリをメンテするために数万円のトルクレンチを買う人が居ても何とも思いません。人の考え方は色々なので、「**はどうでしょうか?」と聞かれても何とも答えようが無いのです。すいません。

一番小さいサイズが3/8角なのは、1/4角のコマをほとんど持っていないからです。

私の試験データですが、単純にあのときあのようなデータが得られたという一例であって、同一の製品の精度を保証するものでは有りません。また外観が上記に良く似た製品に関して、同等の精度が得られる事を示唆するものでもありません。

校正には出していません。不安になったらもう一度バネばかりで検証してみるつもりです。車やオートバイの指定トルク範囲から考えて、自分用であればあの程度の検証でも十分であろうと考えて居るためです。必要と感じる人は出せば良いと思います。

全ての作業にトルクレンチを使っているわけでは有りません。そんな面倒なことはしません(笑)。しかし自分の感覚より安物トルクレンチの方が上と思っていますので、不安な作業ではトルクレンチを使います。


ここにはスパナ類の画像があります。

工具箱の一番上です。

30年くらい前のKTCが一番多いかもしれません。これらは高校生の頃に近所の工具屋で1本ずつ買い求めた物です。その頃は今のようにホームセンターでそこそこの工具を買うことは出来ませんでした。

あとは、TOP、HIT、アサヒ、ホーザン、アイゴ、ロブスター。。。コンビの一部にはセットで980円の品物が混じっていますし、車載工具も有ったりします。


ここにはソケット類の画像があります。

上から二段目です。

ソケット類もメーカーでは古いKTCが多いかもしれませんが、全体の2割くらいです。その他は、トネ、SK11、ストレート、等でした。奥にあるセット物は全て980円クラスのセットです。

小型のインパクトがプラスチック製なのは、冬に手が冷たいのは嫌と言う、只それだけの理由です(^^)。


ここにはペンチ類の画像があります。

上から三段目です。

ドライバーやペンチ類はメーカーが多種多様です。ベッセル、ルビコン、サンフラッグ、ギスケ、KTC、ロブスター、フジヤ、スリーピークス・・・多分20種類以上あると思います。節操がありません。


見てのとおり海外ブランドの工具は全くありません。毛嫌いしているわけでは有りませんが、田舎にはそう言う店が無いので接する機会が無いのです。もし有ったとしても値段が高ければ買わないような気がしますけど(笑)。

メールで名前が出てくるような海外ブランドに関して、残念ながら私は使ったことが無いので意見を持ちません。所有している工具に関しても、プラスドライバやニッパ以外は買い換える機会がほとんど無いために、メーカーの差を感じることが出来ません。

と言うことで、「そうですね、スナップオンが良いと思います」と言うと嘘になりますし、「アサヒのセットで十分でしょう」と書けば馬鹿にされたと感じたり落胆されるかもしれません。なんともお返事が書きにくい訳なのです。すいません。

もし貴方が高校生などの若い方であれば、工具の値段を半分にして、残りのお金を(ネットや雑誌ではなくて)まともな数学、物理、電気、自動車工学関係の書籍につぎ込むことをお勧めしておきます。


2010年06月12日追記

このページを作ってから、全くと言って良いほど工具関係のメールが来なくなりました。背中を押してあげられなくて済みません(笑)。たま〜に来る内容に「安物は壊れませんか」と言うのが有ります。それに対しての答えですが、

残念ながら私は工具を壊した記憶が有りません。10本980円のコンビネーションレンチにパイプを差し込んで使っても簡単には壊れてくれません。まあ、私の腕力が弱いという事も有るかもしれませんが。

私は若い頃に日産ディーゼルのディーラーで働いていました。サビサビの大型トラックとか腐った船のエンジンを扱う様なところで、たまに乗用車の車検整備などをすると「屁」みたいに弱いトルクに驚くような環境でした。

今は知りませんが当時は、バンザイとかKTCとかJISマークも怪しい様な工具を使っていました。スペースが狭いのでインパクトにも普通のソケットを使っていましたが、それでも1班で数ヶ月に1個割れるかどうかという感じでした。

確かに、工具関係の言葉で検索すると「安物は壊れる」と言う話が沢山引っかかります。それを見て不安に成る気持ちも分かりますが、貴方が力が弱くて運の良い人なら、安物でも簡単には壊れないかもしれません(笑)。


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