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GPS60系の加振による電源断対策

GPS60系を自転車に取り付けていると電源が落ちるとか、電源が入らないときが有るとの相談が有りました。前者は相談と言うよりも2週間で返品に成ってしまいましたけど。。。

性格的にこのままメーカーに原因究明と修理を依頼するのは好きじゃないので、自分で開けて原因を探してみた記録です。


ここにはGPS60の内部画像があります。

ここに行き着くまでは紆余曲折有ったわけですが、最終的にはこの画像の赤丸の部分の接触不良でした。

GARMINのハンディーGPSでは、裏側筐体に装着した電池からバネ性を有する電極でメイン基板に給電する手法はeTrexから始まっています。このGPS60でも同様の手法で給電されているのですがここがトラブル源でした。

反対側の写真を取り忘れてしまいましたが、反対側の電極は電池ケースの電極が伸びてきている板状の物です。これがシリコーン糸と思われる接着剤で固定してあります。他の機種ではここがコイルバネであったりして1mm-2mm程度の変動を吸収できるように成っていますが、今回の例では短いベロの撓みですから0.5mmの変位も吸収できていない感じです。

この吸収域の狭さと筐体の製作誤差などが相まって、物によっては静かな環境であっても電源が入らない現象が起こっていた訳です。当然そのような機種に振動を加えると電源が落ちることもあり得ます。

最初はベロの部分を強めに曲げてみましたが、非常にもろい材質でポッキリと折れてしまったのです。一時期のeTrexの電極にも同じ様な材質が有りました。なにか他のメリットが有るのだと思いますが、故意に曲げたり誤って電池の縁が引っかかっただけで折れてしまうのです。

折れたから仕方なく・・・と言う面もありますが、過去の経験から折れていない方の信頼性も期待できません。色々悩んだ結果、分解組立が出来る程度の長さのリード線を用いて両者を半田付けで接続してしまいました。


当然と言えば当然ですがその後は全くトラブルは出てきません。今回の方法が最善の方法とは思いませんが、ツーリングで何回も何回も電源が落ちるイライラ感や、夜のブルベで動作していると思っていたGPSが切れていて分岐点の表示が出なかった。。。等の不具合と比較すれば問題にならないと思います。

自社の試験機もこの対策を施しました。GARMINがこの部分に長めのコイルバネを付けてくるまでは、個人的にこのような対策で逃げるしか無いように思います。改造品と言うことで無償修理が受けられなく成る事を危惧する方にはお勧めできませんけど。


ここには文章

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ここには文章

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