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変なねじの話  未整理・未完成ですが・・・
ここを見ても良く解らない・・・と言う方は「普通のねじの話」を読んでみて下さい。

1-14 UNS

ビーコンアンテナや高級なGPSアンテナの取付部に使われることが多いねじです。

外径が1インチ(25.4mm)で、ピッチが1インチあたり14山(1.814mm)のねじです。UNSはイギリスのユニファイねじなので、国内ではあまり知られていません。ISOに規定のあるUNCやUNFには14山の規定が有りませんが間違いでは有りません。

ボルト・ナット類、タップ・ダイス類の国内での入手は非常に困難です。金物屋さんや小さなねじ屋さんでは、1-12 UNFの間違いだと指摘されることが良くありますが、そう言う店では入手はまず無理なので引き下がりましょう。

後ろに2A、2Bなどの数字が付いていることが有りますが、これはねじの等級です。Aはおねじ、Bはめねじ用の規格です。1が荒く、3が精密なねじになります。2Aや2Bは一般に広く使われている国内のねじとほぼ同等です。GPSアンテナの固定程度なら等級にこだわる必要は無いでしょう。

この規格のボルト・ナット類を探すのは非常に困難なので、メーカー推奨ブラケットを購入するか、一般的な3/8-16 UNCねじに変換するアダプタを購入するか、工場で作ってもらう(ねじ山はメートルねじと同じで60度)ことをお勧めします。


1/4-20 UNC

小形カメラや小形のカメラ用品の固定に使われているねじです。RAMのカメラマウントにもこのねじが付いています。

外径が1/4インチ(6.35mm)で、ピッチが1インチあたり20山(1.27mm)のねじです。UNCはISOで規定されたユニファイの並目ねじを表します。インチねじの中では比較的入手しやすい部類です。

建材関係で見かけるW1/4と書かれたねじは「ウィットねじ」と言う別規格です。「ユニファイねじ」はねじ山の角度が60度ですが、「ウィットねじ」は55度です。しかし直径もピッチも同じなので5度の違いを無視して使っても、GPSやカメラを軽く固定する様な用途では差は感じません。緊急的になら建材屋やホームセンターで購入しても問題ないでしょう。


4-40 UNC

ここにはGekoのねじ画像があります。

Dsubのコネクタ固定用や、GPSではGekoとGPS60の裏面にある固定ねじがこれです。M3に似ていますが違います。

4といっても4インチでは有りません。この場合は外径が0.1120インチ(2.845mm)で、ピッチが1インチあたり40山(0.635mm)のねじとなります。外径で1/4インチ以下はこういった呼び方になります。インチの世界はこういった感じで「美しくない」規格が多くてどうも好きになれません(笑)。UNCはISOで規定されたユニファイの並目ねじを表します。

GPS2+やGPS3+の裏面に有る固定ねじはM3です。Gekoになってインチねじに変更になりました。台湾の製造部が「ここくらい良いだろう・・」とメートルねじを採用していたけれど、アメリカ国内のユーザーからの不満を無視できなくなったのでしょうか?

Dsubコネクタには他に、M2.6(旧JIS)やM3というねじが存在します。理屈上は有りそうですが旧JISのM3(ピッチ0.6mm)は見たことが有りません。最近のパソコンしか触らない人は問題有りませんが、工業用品やジャンクなどを利用する人は注意が必要です。


1/4 NPT

RAMのパイプ継ぎ手に多用されているので紹介しておきます。

呼び径(この言葉を機械系以外の人に説明するのは難しい。特にテーパねじに関しては・・・)が1/4インチで、ピッチが1インチあたり18山(1.411mm)のアメリカの管用テーパねじです。ねじ山の角度は60度、ねじの傾きは1度47分です。

JISに規定がある管用テーパねじは、ねじ山の角度は55度、ねじの傾きは同じで1度47分、呼び径が1/4の場合ピッチが19山(1.337mm)と微妙に違います。試しにねじ込んでみると3山くらい入ります。簡単な固定用途なら使えない事は有りません。

もうちょっと確実に国内の1/4規格品を使いたい場合は、RAMのNPTめねじをJISのRc1/4のタップで軽くさらえておくと完璧です。Rc1/4は新JISの呼び方ですが、古いPT1/4の方が通じやすい場合も多いです。

この手のパイプや継ぎ手などを各種販売しているような店では、「よんぶんのいち」では無く「にぶ(二分)」と呼ばれる事が多いでしょう。また、「8」とか「8A」と表示されている場合も有ります。インチの世界は奥が深いです(笑)。


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